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下垂体腫瘍

🐾「最近、水をすごく飲む・お腹が出てきた…」

下垂体腫瘍(かすいたいしゅよう)について

こんにちは、ガレン動物病院です。

「お水をたくさん飲むようになった」
「お腹がポッコリしてきた」
「なんとなく性格が変わった気がする」

そんな変化が見られたときに、ホルモンの司令塔である“下垂体”の腫瘍が隠れていることがあります。


🧠 下垂体とは?

下垂体は、脳の奥にある小さな器官で、体中のホルモンバランスを調整する“ホルモンの司令塔”です。
この部分に腫瘍ができると、以下のような
ホルモン異常や神経症状
が出る可能性があります。


🐶🐱 よくある下垂体腫瘍のタイプと影響

種類 ホルモン 症状例
ACTH産生腫瘍(犬に多い) 副腎皮質刺激ホルモン → クッシング症候群(多飲多尿、お腹ぽっこり、脱毛など)
成長ホルモン産生腫瘍(猫に多い) 成長ホルモン(GH) → 先端巨大症(顔・足の肥大、糖尿病)
非機能性腫瘍 ホルモンを出さない → 脳圧上昇に伴う神経症状(性格変化、ふらつきなど)

📌 よく見られる症状

犬で多い症状(クッシング症候群)

  • 水をたくさん飲む・おしっこが増える

  • 食欲が異常にある

  • お腹がふくらんできた

  • 左右対称の脱毛

  • 皮膚が薄くなり、傷が治りにくい

  • 舌を出してハァハァしやすくなる(パンティング)

猫で多い症状(先端巨大症)

  • 顔が大きくなってきた

  • 下あごや足が太くなった

  • 進行性の糖尿病(インスリンが効きづらい)

  • 歯肉の盛り上がり、いびきなど

📌 症状は少しずつ進行するため、「老化」と勘違いされることも多くあります。


🩺 診断と検査

  • 血液検査・ホルモン検査:ACTH、コルチゾール、IGF-1(成長ホルモンの代謝産物)などを測定

  • 脳のMRI検査・CT検査:下垂体腫瘍の有無やサイズを確認

  • 腹部超音波・レントゲン検査:二次的な臓器への影響(肝肥大・副腎腫大など)


💊 治療方法

✅ 内科治療

  • ACTH産生腫瘍(クッシング):副腎を抑制する薬(例:トリロスタン=ベトリール®)でコントロール

  • 先端巨大症(猫):インスリンによる糖尿病管理、GH分泌抑制薬(入手困難な場合もあり)

✅ 放射線治療

  • 腫瘍の大きさや神経症状がある場合に有効

  • 下垂体腺腫に対して効果が報告されており、QOLを改善できる可能性あり

✅ 外科手術(非常に専門性が高い)

  • 下垂体摘出術(下垂体除去)は国内外の限られた施設でのみ実施されています


🕰 予後(生存期間)

治療方法 目安
内科治療のみ 6ヶ月〜数年。QOL重視の管理が可能
放射線治療あり 1〜2年以上生存する例も多い
無治療/進行時 症状が進行すればQOLが著しく低下する可能性

💬 まとめ

下垂体腫瘍は見た目ではわかりにくく、「なんとなく元気がない」「太った?痩せた?」の奥に隠れていることが多い病気です。

でも、早期発見と適切な治療で、生活の質を保ちながら過ごすことが可能です。
「ちょっとした変化」が続くときは、どうぞ遠慮なくご相談ください。


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