🩺「高血圧?動物にもあるの?」
犬・猫の高血圧症について
こんにちは、ガレン動物病院です。
「うちの子、最近よく壁にぶつかる」
「目が見えていないかも?」
「腎臓が悪いって言われたけど、それと関係あるの?」
それ、**高血圧(こうけつあつ)**が関係しているかもしれません。
高血圧は人間だけの病気ではなく、犬や猫でも起こります。
🧬 高血圧症とは?
血圧が高い状態が続くことで、全身の血管や臓器に悪影響を及ぼす病気です。
特に影響を受けやすいのは:
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目(網膜)
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脳(神経系)
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腎臓
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心臓(心肥大や心不全)
📌「サイレントキラー(静かな殺し屋)」と呼ばれるほど、気づきにくく、進行すると重大な症状を引き起こします。
🐶🐱 どんな子に多い?
高血圧は、「原因となる病気(二次性高血圧)」がある子に起こることがほとんどです。
よくある基礎疾患:
犬 | 猫 |
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クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症) | 慢性腎臓病・甲状腺機能亢進症 |
慢性腎臓病 | 慢性腎臓病 |
糖尿病 | 糖尿病 |
心臓病(僧帽弁閉鎖不全症など) | 心筋症など |
📌 高齢の犬猫での慢性疾患持ちは、必ず血圧チェックを!
📌 よくある症状
高血圧そのものでは症状が出にくいですが、合併症が出たときに気づかれることが多いです。
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突然の失明(網膜剥離・出血)
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瞳孔が開いたまま・左右差がある
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元気や食欲の低下
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頭をふる/ぐるぐる回る(神経症状)
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ふらつき/けいれん/失神
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咳、呼吸が浅い(心肥大による)
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尿量の変化(腎臓への影響)
📌 猫では目の異常から見つかることがとても多いです。
🩺 血圧の測り方
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人と同じく腕・尻尾・脚などにカフ(測定器)を巻いて測定
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動物用の専用測定器で、動物がリラックスした状態で数回測定して平均を取ります
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正常血圧:120〜160mmHg(動物種・状況により変動あり)
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180mmHg以上は治療対象となることが多いです
📌 緊張で一時的に上がる子もいるため、1回ではなく定期的な測定が大切です。
💊 治療方法
✅ 原因となる病気の治療が最優先!
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慢性腎臓病 → 専用療法食・内服治療
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クッシング症候群・甲状腺疾患 → ホルモンコントロール
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心臓病 → 内科治療と定期モニタリング
✅ 血圧を下げる薬
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アムロジピン(猫でよく使用)
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ACE阻害薬(犬で多い)
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ARB(アンジオテンシン受容体拮抗薬):腎臓と心臓にやさしい
📌 お薬は毎日の内服が必要ですが、副作用は少なく継続しやすいものが多いです。
🕰 予後(経過)
状態 | 予後 |
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早期発見・治療開始 | 合併症を防ぎ、穏やかに長く生活できる |
治療が遅れた場合 | 失明・発作・腎不全など重篤な合併症を起こすことも |
原因疾患が進行している場合 | 多臓器への負担に注意。QOL(生活の質)維持が重要 |
🏠 ご家庭でできるケア
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お薬をきちんと毎日継続
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食事の管理(塩分やタンパク制限など)
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水をしっかり飲ませる/尿の量や色を観察
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ストレスを減らした生活環境
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定期的な血圧チェック(月1〜3ヶ月に1回)
💬 まとめ
高血圧は、静かに進行していく病気です。
でも、早く気づいて治療すれば、目・脳・腎臓・心臓を守ることができます。
「ちょっと元気がない」「目がおかしい?」「ふらつくことがある」
そんなサインを見逃さず、まずは血圧を測ってみましょう。
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