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肺高血圧症

🐾「最近、咳が増えた?呼吸が荒い気がする…」

肺高血圧症(はいこうけつあつしょう)について

こんにちは、ガレン動物病院です。

「咳が出やすくなった」
「歩くとすぐにゼーゼーして座り込む」
「最近、失神のように倒れたことがある」

そんな症状があるとき、**肺高血圧症(はいこうけつあつしょう)**という病気が関係しているかもしれません。


🫁 肺高血圧症とは?

肺の血管にかかる圧力(血圧)が高くなり、心臓や肺に負担がかかる病気です。

通常、肺には全身から戻ってきた血液が酸素と入れ替わるための血管が走っていますが、
この血管の中の圧が高くなると、肺への血流が悪くなり、心臓(特に右心室)にも負担がかかるようになります。


🐶 どんな子に多い?

  • 小型犬〜中型犬の中高齢(6〜12歳)に多い

  • 心臓病(特に僧帽弁閉鎖不全症)や肺の慢性疾患が背景にあることが多い

  • トイプードル、チワワ、ポメラニアンなどで多く報告


📌 よくある症状

  • 呼吸が浅く速い(努力呼吸)

  • 咳が増える(特に運動後・夜間)

  • 軽い運動でもすぐに疲れる・動かなくなる

  • 失神(意識を失う):特に興奮時や運動時に多い

  • お腹が膨れる(腹水)・手足がむくむ(右心不全)

  • 舌や口の中が紫色っぽくなる(チアノーゼ)

📌 肺高血圧症は進行すると命に関わる危険な病気です。
早期発見・早期治療がとても大切です。


🩺 診断と検査

  • 聴診:雑音、不整脈、呼吸音の変化を確認

  • 心臓超音波検査(心エコー):肺動脈圧の推定、心臓の動き・逆流の有無などを評価

  • 胸部レントゲン検査:肺の形・心臓の大きさを確認

  • 血液検査・心臓マーカー(NT-proBNP):全身状態や心臓の負担を評価

  • 必要に応じてCT検査や酸素濃度測定も実施


💊 治療法

肺高血圧症は**治すことよりも、進行を遅らせて症状を抑える「管理する病気」**です。

主な治療法:

  • ホスホジエステラーゼ5阻害薬(例:シルデナフィル):肺の血管を拡げ、圧を下げる

  • 心不全の治療薬(ピモベンダンなど):心臓の負担軽減

  • 利尿薬(必要に応じて):うっ血や腹水の改善

  • 原因疾患(僧帽弁閉鎖不全症や肺疾患など)がある場合は、その治療を同時に行うことが重要

📌 薬は一生涯継続するケースが多いですが、しっかり管理すれば元気に過ごせる子も多くいます。


🕰 予後(生存期間)

状態 目安
軽度〜中等度 適切な治療で1〜2年元気に過ごせる例も多数
重度・失神あり 数ヶ月以内に症状が進行する可能性もあり
背景疾患の管理が不十分 急激に悪化するケースもあるため注意

🏠 ご家庭でのケア

  • 毎日の呼吸数チェック(寝ているとき:20〜30回/分が正常)

  • 興奮・運動を控えめにして、呼吸に負担をかけない生活

  • 室温・湿度管理で呼吸をサポート(暑さ・寒さに弱い)

  • 薬の飲み忘れ・中断はしないように!


💬 まとめ

肺高血圧症は、**心臓や肺に負担をかける“静かな進行性の病気”**です。
でも、早めに見つけて薬でしっかりコントロールすれば、穏やかな生活を送ることが可能です。

「最近、咳や呼吸が気になる」「失神した」などの症状があれば、
すぐにご相談ください。


 

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