🍽️【食欲不振、元気がない…それ、原発性門脈低形成かもしれません】
原発性門脈低形成について
こんにちは、ガレン動物病院です。
今回は、犬や猫に見られる肝臓の疾患、原発性門脈低形成についてご紹介します。
🩺 原発性門脈低形成とは？
原発性門脈低形成は、門脈（肝臓に血液を運ぶ血管）の発育異常によって、正常な血流が肝臓に届かない病気です。
通常、門脈は消化管から肝臓に血液を運び、肝臓で解毒や栄養の代謝が行われますが、原発性門脈低形成では、門脈が十分に発育せず、血液が肝臓を通らずに体循環に直接流れ込んでしまいます。これにより、肝臓の機能が低下し、さまざまな症状を引き起こすことがあります。
📌 原発性門脈低形成は、遺伝的要因によるものが多く、特に若い犬や猫に発症しやすい疾患です。
🐶🐱 どんな子に多いの？
-
小型犬種（特にヨークシャーテリア、ダックスフンド、シーズーなど）
-
若齢犬や猫（生後1年以内のペットに多く見られる）
-
遺伝的な要因がある動物（門脈低形成が遺伝的に引き継がれることがある）
-
肝臓疾患の家族歴がある動物
📌 主な症状
-
食欲不振や体重減少
-
元気がない、または活動量の低下
-
嘔吐や下痢
-
黄疸（皮膚や目が黄色くなる）
-
腹部膨満感（肝臓が腫れてお腹が膨らむ）
-
神経症状（震えや歩行障害、意識の変化）
-
多飲・多尿（体内の解毒がうまくいかず、水分バランスに異常が起こることがある）
-
脱水症状（嘔吐や下痢が続き、水分が失われる）
📌 原発性門脈低形成は早期に診断し、治療を行わないと、肝機能不全や肝不全を引き起こす可能性があります。
🩺 診断と検査
-
視診と触診：腹部の膨満感や肝臓の腫れを確認
-
血液検査：肝臓の酵素（ALTやAST）、ビリルビン値などを調べ、肝機能をチェック
-
超音波検査：肝臓の状態や門脈の発育状態を確認します
-
レントゲン検査：腹部の構造を確認し、異常がないか調べます
-
CTスキャン：詳細な肝臓や門脈の状態を確認するために使用されることがあります
-
生検：肝臓の一部を採取し、門脈の発育状態を顕微鏡で調べることができます
💊 治療方法
✅ 外科手術
-
門脈シャントの閉塞手術：異常な血管がある場合、外科的に閉塞し、血流を正常に戻すための手術を行うことがあります。
✅ 薬物療法
-
肝臓保護薬（シリマリン、ウルソデオキシコール酸など）：肝臓の機能をサポートし、毒素を処理するために使用
-
抗生物質（細菌感染を防ぐために使用されることがある）
-
ビタミンB群補充薬（肝臓の健康をサポートするため）
✅ 食事管理
-
肝臓用療法食（肝臓をサポートするための特別な食事）
-
消化に優しい食事（高繊維、低脂肪の食事など）
-
水分補給を十分に行い、脱水症状を防ぐ
✅ サポート療法
-
点滴療法（脱水症状や栄養不足を補うために使用される）
-
栄養補助（消化不良による栄養吸収障害を補うために使用）
🕰 予後と注意点
| 状況 | 備考 |
|---|---|
| 軽度の原発性門脈低形成 | 食事管理と薬物療法で回復することが多い |
| 重度の場合 | 手術が必要となり、術後の経過観察が重要 |
| 再発のリスク | 定期的な診察と治療が必要です |
📌 原発性門脈低形成は、早期に発見し治療を行うことで予後は良好です。再発防止のため、生活習慣や食事の見直し、定期的な診察が重要です。
🏠 ご家庭でのケア
-
食後は安静にさせ、過度な運動を避ける
-
消化に優しい食事（ウェットフードや低脂肪食）を選ぶ
-
水分補給をしっかり行い、脱水症状を防ぐ
-
ストレスを避ける生活環境を整える（ストレスが肝臓に悪影響を与えることがある）
-
定期的に健康診断を受け、門脈低形成の状態をチェックする
💬 まとめ
原発性門脈低形成は、肝臓に血液が正常に流れない異常な血管が原因で肝臓機能に影響を与える病気です。
早期に診断し、手術や薬物療法を行うことで症状をコントロールすることができます。
「食欲不振」「黄疸」「元気がない」などの症状が見られた場合は、早めにご相談ください。
📞 ご予約・お問い合わせはこちら
ネット予約 ▶︎https://5.mfmb.jp/mobile/index.php?PHPSESSID=578pnba6ipr9e0ko5igj8dkt70&clinic_number=900991
電話 ▶︎055-972-6770
ガレン動物病院
静岡県駿東郡清水町八幡61-1
対応エリアのご案内
ガレン動物病院は、三島市・沼津市・函南町・長泉町・伊豆市・裾野市・御殿場市・富士市・富士宮市・静岡市・箱根町など、静岡県・神奈川県東部エリアからも多くの飼い主様にご来院いただいています。
ペットの症状やお困りごとがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。