🐱「元気に見えてたのに突然倒れた…」
肥大型心筋症(ひだいがたしんきんしょう)について
こんにちは、ガレン動物病院です。
「足を引きずるようになった」
「急に息が苦しそうになった」
「元気だったのに、突然ぐったりして動かなくなった」
そんなときに考えられるのが、**肥大型心筋症(HCM)**という心臓の病気です。
特に猫で多く見られる病気で、初期は無症状のことが多いため、発見が遅れがちです。
❤️ 肥大型心筋症とは?
心臓の筋肉(心筋)が異常に厚くなり、心臓の内側(左心室)が狭くなることで血液を十分に送り出せなくなる病気です。
📌 猫では最も多い心疾患で、健康に見える若齢〜中年齢の猫でも発症することがあります。
🐱 どんな猫に多い?
-
好発年齢:2~10歳の成猫
-
遺伝的に発症しやすい猫種:メインクーン、ラグドール、スコティッシュフォールド、アメリカンショートヘアなど
-
雑種猫でも珍しくありません
-
去勢・避妊の有無は関係ありません
📌 よくある症状(進行後)
-
呼吸が苦しそう(浅く速い・口呼吸)
-
足を引きずる(特に後ろ足)
-
体を触ると嫌がる(血栓による痛み)
-
舌が紫色になる(チアノーゼ)
-
食欲の低下・元気がなくなる
-
突然死してしまうケースも…(血栓塞栓や不整脈)
📌 初期には全く症状がないことが多く、健康診断で偶然見つかることもあります。
🩺 診断と検査
-
聴診:雑音や不整脈の有無
-
レントゲン検査:心拡大や肺水腫の有無
-
超音波検査(心エコー):壁の厚さ、血液の流れ、左心房の拡大などを正確に評価
-
**血圧測定・心電図・心臓バイオマーカー(NT-proBNP)**などを併用
💊 治療方法
肥大型心筋症は完治できる病気ではありませんが、
お薬で進行を抑え、症状を緩和して長く元気に過ごすことが可能です。
主なお薬:
-
β遮断薬(アテノロールなど):心拍数を抑えて心臓を休ませる
-
カルシウム拮抗薬(ジルチアゼムなど):心筋の動きを調整
-
血栓予防薬(クロピドグレルなど):血栓塞栓症の予防
-
利尿薬(肺水腫がある場合):呼吸を楽にするために使用
📌 **治療の目標は「苦しまないようにしてあげること」**です。
🕰 予後(生存期間)
タイプ | 予後 |
---|---|
無症状型(偶発的に発見) | 適切な管理で数年元気に過ごせる子も多い |
呼吸困難・血栓塞栓を起こした後 | 予後は不良、数週間~数ヶ月のことも |
血栓予防がうまくできている場合 | 1年~2年以上延命する子もいます |
🏠 ご家庭でできること
-
静かで安心できる環境づくり(ストレス軽減)
-
毎日の呼吸数チェック(寝ているときの呼吸数が目安)
→ 正常:20〜30回/分、40回以上なら要注意 -
投薬の継続・通院でのモニタリング
-
ご家族が**「ちょっとした変化」に敏感になることが最大の予防**
💬 まとめ
肥大型心筋症は、猫にとって最も多い心臓病であり、
元気に見えていても突然進行する怖さがあります。
ですが、早期発見と適切な治療で、穏やかに長く暮らすことができる病気でもあります。
「なんとなく変かも?」
そんな小さなサインに気づいたら、すぐにご相談ください。
📞 ご予約・お問い合わせはこちら
ネット予約 ▶︎ https://5.mfmb.jp/mobile/index.php?PHPSESSID=578pnba6ipr9e0ko5igj8dkt70&clinic_number=900991
電話 ▶︎ 055-972-6770