🐶犬のオーバーショットとアンダーショットについて
〜2種類の咬合異常を写真つきで詳しく解説〜
今回のブログでは、
・上の歯が前に飛び出してしまう オーバーショット(上顎前突)
・下の歯が前に出てしまう アンダーショット(下顎前突)
それぞれの写真を掲載しながら、咬合異常について詳しく説明します。
噛み合わせの問題は見た目の違和感だけでなく、
食事・日常生活の過ごしやすさ・歯の健康にも密接に関わるため、
早く気づいてあげることが大切です。
🦴 犬の噛み合わせ(咬合)の基本とは?
犬の上下の歯は、食べ物を噛み砕くために一定の並び方をしています。
理想的な噛み合わせでは、
・上の前歯が下の前歯より少し前
・犬歯(キバ)が互いに干渉せず噛み合う
・上下の奥歯がきれいにすり合わせられる
といった状態になります。
しかし、生まれつきの顎の長さの違い、乳歯の生え替わりの問題、
成長のバランスなどによってこの噛み合わせが崩れてしまうことがあり、
これが咬合異常です。
咬合異常は軽度なら日常生活に支障がないこともありますが、
悪化すると痛みや歯の破損につながる場合があります。
🟦 オーバーショット(上顎前突)について
添付されている写真の1枚目のように、
上顎(上の歯)が前方に出てしまう状態 がオーバーショットです。
🐾 オーバーショットで起こりやすいこと
・下顎の前歯が上顎の裏側に当たり、歯肉を傷つける
・噛み合わせが悪く、食べ物をうまく噛めない
・犬歯が歯肉に刺さることで慢性的な痛みを引き起こす
・おもちゃをかじったり遊んだりする時に違和感が出やすい
特に成長期の小型犬では、顎の成長バランスが崩れることで
より目立ちやすくなります。
遺伝的な要因が関わることも多いとされています。
🟥 アンダーショット(下顎前突)について
添付2枚目の写真のように、
下顎が上顎より前に出ている状態 がアンダーショットです。
短頭種(シーズー、パグ、フレンチブルドッグなど)には
“犬種特性”として認められることが多いですが、
中には問題が生じるケースもあります。
🐾 アンダーショットで起こりやすいこと
・前歯同士がぶつかり、擦り減ったり欠けてしまう
・常に歯が露出して乾燥し、歯肉の炎症が起こる
・噛みづらさから食べるのが遅くなる
・口の中が狭い犬種では他の歯にも負担がかかる
軽度なら気にしなくて良い場合もありますが、
歯や歯肉のトラブルにつながることがあるため観察が必要です。
🩺 咬合異常が起こる原因
・遺伝的要因(特に顎の長さの違い)
・乳歯遺残(乳歯が抜けず永久歯の萌出がずれる)
・成長期の顎の発育不良
・外傷による歯の位置異常
・顎の形状が特異な犬種(短頭種など)
特に乳歯遺残は小型犬に多く、
永久歯の並びに大きく影響するため注意が必要です。
💊 治療方法と対応
咬合異常の治療は、程度や原因によって様々です👇
✔ 軽度の場合
・痛みや傷がないか経過観察
・定期的な歯科検診
・歯磨きやデンタルケアで歯周病予防
✔ 中等度の場合
・乳歯遺残があれば抜歯
・当たっている歯を削って接触を和らげることも
✔ 重度の場合
・歯の位置を矯正する処置
・痛みを避けるための外科的処置
(※専門的判断が必要)
“矯正”と聞くと大掛かりに感じるかもしれませんが、
犬の場合は痛みを取るための部分矯正が中心で、
生活の質を上げるために行われることが多いです。
🧡 飼い主さんが気づくポイント
・口を閉じても歯が見える
・食べづらそう・噛むのに時間がかかる
・歯が歯ぐきに当たって赤くなっている
・おもちゃをうまく噛めない
・前歯が妙な角度に生えてきた
・乳歯がいつまでも残っている
こうしたサインに気づいたら、
早めにご相談いただくことでトラブルを未然に防げます🐾
獣医外科認定医(JAHA)/獣医腫瘍科認定医在籍
整形外科・腫瘍科・歯科・皮膚科などの専門診療にも対応しています。
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