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犬・猫の体表腫瘤が破れた時の対処法と細胞診の必要性

🐶体表にできた腫瘤(mass)の自潰について

〜原因・注意点・検査方法を詳しく解説〜

今回の写真は、体表にできていた腫瘤(できもの)が破れてしまい、
出血と滲出液が見られた状態です。
このように腫瘤が自潰(じかい)して破れてしまうことは、犬・猫で比較的よくあります。

自潰は、良性・悪性を問わずさまざまな腫瘤で起こる可能性があり、
破れた部分から細菌感染が起こるリスクもあるため、
早めの診察・処置がとても大切です⚠️


🩺 自潰(じかい)とは?

腫瘤の内部に
・膿
・血液
・壊死組織
がたまり、皮膚が薄くなって破れてしまうことを「自潰」といいます。

自潰が起こる理由👇

・急速に腫瘤が大きくなる
・中で感染が起きて圧が高まる
・腫瘤の表面の皮膚が壊死
・動物が舐めたりこすったりする

良性の脂肪腫でさえ炎症を起こして破れることがありますし、
悪性腫瘍(扁平上皮癌や肥満細胞腫など)では自潰しやすい特徴があります。


👀 自潰した時に見られる症状

・出血、滲出液(黄色〜赤色)
・表面のただれ
・悪臭
・痛み、違和感
・動物が舐め続ける

写真のように、患部が赤くただれた場合は、
細菌感染が進行していることも多く、早めの治療が必要です。

 

🔬 腫瘤の診断に必要な

「細胞診検査(針生検)」とは?

腫瘤が良性か悪性かを判断するため、
動物病院では 細胞診(さいぼうしん)=FNA(Fine Needle Aspiration:針吸引生検) を行うことがあります。

✔ どんな検査?

細い針(通常 23~25G)を腫瘤に刺し、
内部の細胞を吸引してスライドガラスに採取し、顕微鏡で確認する検査です。

※注射に似た方法で行うため、ほとんどの子が無麻酔で実施できます。

✔ 検査の流れ

1️⃣ 腫瘤の触診
 大きさ・硬さ・可動性などをチェック。

2️⃣ 細い針を刺して細胞を吸う
 わずか数秒で終了します。

3️⃣ ガラスに塗抹して染色
 院内で染色し、獣医師が顕微鏡で確認します。

4️⃣ 必要に応じて外部の病理医に提出
 より正確に診断するために外部機関へ送付することもあります。

✔ 細胞診でわかること

・良性腫瘍(脂肪腫、皮膚組織球腫など)
・悪性腫瘍(肥満細胞腫、悪性黒色腫など)
・感染性のしこり(膿瘍、肉芽腫)

細胞診は腫瘤の診断に極めて重要であり、
特に自潰した腫瘤は悪性の可能性もあるため必ず実施したい検査です。


🩹 治療について

治療は腫瘤の種類・大きさ・状態によって異なります。

✔ 自潰時の初期処置

・消毒
・洗浄
・抗生剤
・消炎鎮痛薬
・舐め防止のエリザベスカラー

感染が深くまで及んでいる場合は、処置を続けながら経過をみます。

✔ 腫瘤の治療

・良性の場合 → 状態や部位によって切除する
・悪性の可能性が高い場合 → 広範囲切除・術前検査
・炎症性の場合 → 抗生剤や抗炎症薬で改善

腫瘤の診断は「見た目だけでは判断不可能」のため、
細胞診や病理検査が非常に重要です。


🐾 飼い主さんへ

腫瘤が
・急に大きくなった
・赤くなった
・破れてしまった(自潰)
・出血や臭いがある
という場合、早めの受診をおすすめします。

特に自潰した腫瘤は、感染や悪性化のリスクが高いため、
適切な検査と治療が必須です🐶✨


獣医外科認定医(JAHA)/獣医腫瘍科認定医在籍
整形外科・腫瘍科・歯科・皮膚科などの専門診療にも対応しています。


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