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子宮の取り残しによる断端膿腫の症例紹介

子宮の取り残しによる断端嚢腫とは

断端嚢腫とは、避妊手術後に残存した子宮断端に液体がたまり、袋状に拡張した状態をいいます。

通常、避妊手術では子宮と卵巣を摘出するため発生することはありませんが、まれに子宮組織が残存している場合に発生することがあります。

症状がないまま経過することもありますが、感染を伴うと陰部からの分泌物や食欲低下などの症状が現れることがあります。


主な症状

断端嚢腫では、以下のような症状がみられることがあります。

  • 陰部から分泌物が出る
  • 陰部を気にして舐める
  • 食欲の低下
  • 元気がなくなる
  • 尿漏れや便失禁がみられることがある

避妊手術後であっても、このような症状がみられる場合は注意が必要です。


診断

超音波(エコー)検査で、残存した子宮断端の拡張や液体の貯留を確認します。

避妊手術歴がある場合でも、断端嚢腫の可能性を考慮して検査を行います。


治療

症状や病変の状態に応じて治療方法を選択します。

手術で残存した子宮組織を摘出する場合や、内科的治療を行う場合があります。


症例紹介

症例1 ラブラドール・レトリバー(8歳)

他院で避妊手術を受けていましたが、陰部から茶色い液体が出るとのことで来院されました。

断端嚢腫と診断し、手術で残存した子宮を摘出しました。現在は良好に経過しています。

症例2 バーニーズ・マウンテン・ドッグ(9歳)

他院で避妊手術を受けていましたが、便や尿を漏らす、陰部の腫れ、陰部を舐める、食欲低下を主訴に来院されました。

断端嚢腫と診断し、抗生剤による内科治療を行いました。その後の超音波検査では、子宮の拡張は認められなくなりました。

※掲載画像は、超音波検査で確認された断端嚢腫(1枚目・3枚目)と、ラブラドール・レトリバーで手術により摘出した残存子宮(2枚目)です。


まとめ

避妊手術を受けていても、まれに残存した子宮組織が原因となり断端嚢腫を発症することがあります。

陰部からの分泌物や陰部を気にする様子、食欲低下などの症状がみられた場合は、「避妊済みだから大丈夫」と自己判断せず、早めの受診をおすすめします。


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獣医外科認定医(JAHA)

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