犬の熱中症の症例紹介
熱中症とは
熱中症とは、高温多湿な環境などが原因で体温が異常に上昇し、体温調節ができなくなる病気です。
犬は人のように全身で汗をかくことができないため、特に夏場は熱中症のリスクが高くなります。
重症化すると脳や心臓、腎臓など全身の臓器に影響を及ぼし、命に関わることもあるため、早期発見・早期治療が重要です。
熱中症の主な症状
熱中症では、以下のような症状がみられることがあります。
- 激しいパンティング(口を開けた呼吸)
- 元気がない
- 食欲がない
- ふらつく、立てない
- 嘔吐や下痢
- 意識がもうろうとする
- 体温の上昇
このような症状がみられた場合は、速やかに動物病院を受診してください。
診断
身体検査や体温測定、血液検査などを行い、全身の状態を評価します。
熱中症では、脱水や炎症、筋肉・肝臓・腎臓などへの影響が現れることがあるため、血液検査による評価も重要です。
治療
体温を適切に下げながら、点滴や注射などによる全身管理を行います。
症状の程度によっては入院治療が必要になる場合もあります。
症例紹介
14歳のケアン・テリア(オス)が、旅行中に呼吸が苦しそうとのことで来院されました。
来院時の体温は41.1℃まで上昇し、横になったまま立ち上がることができない状態でした。
血液検査では、炎症反応の上昇や筋肉へのダメージを示すCK(CPK)の著しい上昇など、熱中症による全身への影響が認められました。
点滴や注射などの治療を開始したところ、体温は徐々に低下し、状態は改善しました。
県外から旅行中だったため入院による経過観察をおすすめしましたが、ご家族の希望により退院となりました。
熱中症を予防するために
熱中症は予防が何よりも重要です。
- 真夏の日中の散歩を避ける
- 室内ではエアコンを使用し、適切な室温を保つ
- いつでも新鮮な水が飲めるようにする
- 車内に犬だけを残さない
- 旅行や外出時はこまめに休憩と水分補給を行う
特に高齢犬や短頭種、肥満の犬は熱中症のリスクが高いため、より注意が必要です。
まとめ
熱中症は短時間で重症化し、命に関わることもある病気です。
特に夏場の旅行や外出では、普段以上に暑さ対策を行うことが重要です。
呼吸が苦しそう、ぐったりしている、立ち上がれないなどの症状がみられた場合は、様子を見ずに速やかに動物病院を受診してください。
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獣医外科認定医(JAHA)
獣医総合臨床医(JAHA)
獣医腫瘍科認定医在籍
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