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肝臓、脾臓、副腎 手術料金

胆嚢摘出(胆嚢粘液嚢腫)

粘性のある粘液が胆嚢内に蓄積することで胆管閉塞や胆嚢破裂、胆嚢炎などを引き起こします。高齢犬での発生が多く、発生原因として他の内科疾患(副腎皮質機能亢進症、甲状腺機能低下症、高脂血症など)が関わっていることがあります。症状は食欲低下、嘔吐、腹部痛、黄疸など様々で、無症状のケース(2030%)もあり健康診断で偶然発見されることもあります。血液検査では肝臓の数値に異常を認めることが多く、腹部超音波検査では粘液を過剰に含んだ胆嚢(キウイフルーツや星状の胆嚢内容物が典型的な所見です)が検出されます。治療としては手術による胆嚢摘出が第一選択になりますが、併発している内科疾患によっては手術前に内科治療を行い、身体の状態を安定化させた後に手術を行います。しかし、胆管閉塞や胆嚢破裂が生じた場合は極めて危険な状態であるため、緊急手術を行うこともあります。胆嚢粘液嚢腫では手術によるリスクを乗り越えることができれば完治が可能です。

入院日数 3泊4日

入院・手術料金 25万円

 

総胆管閉塞

総胆管とは肝臓で生成された胆汁が十二指腸へ流れるための経路の一部です。この経路が膵炎、腫瘍、胆嚢粘液嚢腫、胆嚢炎、胆石、横隔膜ヘルニア、奇形などによって狭窄・閉塞することがあります。症状は原因となる疾患により様々ですが、一般的には嘔吐、下痢、食欲低下、元気消失、腹部痛、黄疸がみられます。血液検査、腹部レントゲン検査、腹部超音波検査を中心に行うことで、総胆管が閉塞している原因を調べ、治療を始めていきます。

まず、全身状態の改善を目的に内科治療(点滴、制吐薬、抗生剤、鎮痛薬など)を行います。内科的治療により狭窄や閉塞が解除された場合は内科的治療を継続していきます。内科的治療で閉塞が解除されない場合は外科的な治療が必要となります。外科的な治療は原因によって手術方法が異なります。胆石や胆嚢粘液嚢腫の場合は胆嚢摘出術が選択され、総胆管内に胆石や粘液の閉塞がある場合は総胆管を切開して閉塞物の除去、腫瘍などにより総胆管閉塞の解除が難しい場合は胆嚢を小腸(十二指腸や空腸)に吻合して胆汁迂回路を形成します。

 入院日数 67

入院・手術料金 35万円

 

肝臓腫瘍

原発性肝腫瘍は肝細胞性、胆管性、カルチノイド、間葉系に分類されます。また、腫瘍の形態学的に塊状、結節性、び漫性の3タイプに分けられます。食欲低下、嘔吐、下痢、腹部の腫脹などの症状がみられ、腹部レントゲン検査や腹部エコー検査で肝臓の異常が認められます。血液検査では肝臓の数値に異常を認めることが多いです。肝臓の細胞診は診断の助けになりますが、診断価値は限定的のため、確定診断には肝臓の組織生検が必要です。手術計画をたてるためにCT検査も検討されます。塊状の腫瘍タイプは手術による切除が適応となりますが、結節性、び漫性のタイプの場合は手術不適応のため、治療は抗癌剤や内科療法が中心となります。塊状の肝細胞性腫瘍は外科的な完全切除により予後良好とされますが、塊状の肝細胞腫瘍以外(胆管性、カルチノイド、間葉系)は転移率も高く予後不良と報告されます。

入院日数 67

入院・手術料金 35万円

 

 

脾臓腫瘍

脾臓腫瘍の1/32/3が悪性と言われており、最も悪性度が高い腫瘍が血管肉腫です。良性腫瘍としては血腫、結節性過形成があります。健康診断や別の病気の検査時に偶発的にみつかることもあります。腹部レントゲン検査、腹部超音波検査が診断に有用ですが、脾臓腫瘍は画像所見から良性・悪性の判断はできません。また、良性でも悪性でも腫瘍が突然破裂することで腹腔内に大量出血が起き、死に至ることがあるため注意が必要です。

悪性の血管肉腫の場合、転移率が非常に高いため(肺、心臓、肝臓、リンパ節に多く転移)、全身の画像検査が強く勧められます。

脾臓腫瘍からの出血がない場合は無症状のことが多いですが、出血の度合いにより呼吸が速い、食欲低下、つかれやすい、粘膜が白い等の症状がみられ、腹腔内に大量出血すると急に倒れて動かない、お腹が膨れる、ショック状態となり致命的です。

治療は手術による脾臓摘出が基本方針となります。点滴や輸血、投薬による内科治療によって状態を安定化させた後に手術により腫瘍を含めて脾臓を全て摘出します。

血管肉腫(悪性)であった場合、脾臓摘出のみで生存期間中央値13ヵ月。脾臓摘出+抗癌剤で生存期間中央値56ヵ月との報告があります。良性であれば完治が期待できます。

入院日数 3泊4日

入院・手術料金 25万円

 

副腎腫瘍

副腎という臓器は皮質と髄質の二つの部位で構成されています。腫瘍が発生する部位によって症状が異なります。腫瘍の発生年齢は約11歳で、高齢の犬に多くみられます。

 〇副腎皮質腫瘍

 多飲多尿(お水をたくさん飲み、たくさん尿をする)、皮膚の菲薄化、両側対称性脱毛、腹部膨満といった副腎皮質機能亢進症またはクッシング症候群と呼ばれる症状がみられます。

 〇褐色細胞腫

 副腎髄質のクロム親和性細胞に由来する腫瘍で、典型的な症状は頻脈、失神、不整脈がみられます。時として腫瘍が破裂し、腹腔内で大量出血したことによる全身状態の悪化からみつかることもあります。

 血液検査、腹部レントゲン検査、腹部超音波検査、ACTH刺激試験が診断に有用です。手術による腫瘍の摘出が治療の基本方針となるため、腫瘍の血管や周囲組織への癒着・浸潤の度合いをCT検査で調べ、摘出可能かどうかを判定することが重要です。手術不適応、高齢、体調の状態によっては薬の服用による内科治療で経過をみていきます。

入院日数 67

   入院・手術料金 38万円

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