眼科


白内障

白内障は、目の中の水晶体が混濁する病気です。原因や年齢により混濁するスピードが違います。若齢での白内障は合併症(ぶどう膜炎、緑内障、水晶体脱臼など)を起こしやすいため注意が必要です。

症状 目が白い、落ちたおやつやおもちゃを探すようになった、物にぶつかるようになったなどです。合併症を起こしている場合は充血がある、目やにが多い、目が飛び出して見える、目をショボショボするなどの症状があります。

原因 

加齢、糖尿病、外傷、遺伝など様々な原因があります。

診断

強い光を当てて白濁部位や合併症がないか確認します。精密検査には点眼散瞳剤が必要です。

治療

根本的な治療は白内障の手術が必要です。合併症を起こしてる場合はそれぞれの症状に合わせた治療をおこないます。


緑内障

眼圧(目の中の圧力)が上がり、視神経や網膜を障害して失明することもあるため、緊急の処置が必要となります。激しい痛みを伴い、体を触ると嫌がったり、元気食欲がなくなることもあります。 

(写真は角膜混濁、色素沈着を併発しています。)

症状 目をショボショボする、充血する、目やにが多い、目が大きくなった、物にぶつかるようになったなどです。

原因 

好発犬種である、ぶどう膜炎がある、眼内腫瘍があるなど、様々な原因が考えられます。

診断

眼圧計で測定します。正常眼圧は犬で10~20、猫で15~25㎜Hgです。

治療

眼圧を下げる点眼薬を使います。それでも下がらない場合は、直接眼球から目の中の水を抜く処置が必要になります。



ぶどう膜炎

目の中に炎症を起こしている状態です。痛みを伴い、合併症(緑内障、網膜剥離、白内障など)を起こすことがあります。

症状 目をショボショボする、充血がある、目の中が赤い(出血)または白いもの(膿)がある、涙が多いなどです。

原因 

感染症、免疫疾患、眼内腫瘍、緑内障、高血圧など様々です。原因の特定が難しい場合があります。

診断

全身のチェックと、目に強い光を当てて炎症の程度や合併症(緑内障)がないかを確認します。必要であれば眼の超音波検査をすることもあります。

治療

原因に応じて治療します。点眼薬や内服薬で改善が乏しい場合は入院治療が必要になることもあります。



角膜潰瘍(かくまくかいよう)

眼球表面の透明な角膜に深い傷がついた状態です。痛みを伴い、潰瘍が進むと角膜に穴があくことがあります。

症状 目をショボショボする、充血がある、目やにが多い、目が白いなどです。

原因 

他の動物とケンカをした、顔回りをぶつけた、ドライアイなどです。その他、高齢による角膜の再生不良や代謝病からなることもあります。

診断

角膜の傷を染める特殊な液体(フルオレセイン染色液)で診断します。

治療

潰瘍が軽度であれば抗生剤点眼薬、角膜保護用の点眼薬を使い、中度では血清点眼薬(血液成分から作製した液体)、治療用コンタクトレンズの装着を行います。重度では外科手術を行います。



デスメ膜瘤

角膜潰瘍が進み角膜に穴があく寸前の状態です。角膜に穴があくと失明、眼球炎になる可能性があるため早急に治療が必要です。

症状 目が白い、目がショボショボする、涙が多い、目にふくらみがあるなどです。

原因 

進行性の角膜潰瘍、目をぶつけた、ほかの動物とケンカしたなどです。

診断

強い光を当てて角膜の傷の程度を確認します。角膜の傷を染める染色液(フルオレセイン染色液)を使います。

治療

外科手術が必要になります。



眼瞼内反症(がんけんないはんしょう

まぶたの皮膚が変形し、まつげが角膜に触れることで角膜に傷をつけ痛みを起こすことがあります。

症状 涙が多い、目をショボショボする、充血があるなどです。

原因 

生まれつきまぶたの変形がある、皮膚アトピーがあるなどです。

診断

全身のチェックと、必要に応じて局所麻酔点眼薬や角膜の傷を染める染色液(フルオレセイン染色液)を使います。

治療

根本的な治療はまぶたの手術が必要です。



乾性角結膜炎(ドライアイ)

涙の分泌が悪かったり、涙を溜められない状況にあると渇き目になります。渇き目が続くと透明な角膜に黒いシミがつき、目が見えなくなることもあります。

症状 目に潤いがない、充血する、粘っこい目やにがよく出るなどです。

原因 

涙の分泌不足、まぶたの変形で涙が溜められない、ホルモン病を患っているなどです。

診断

涙の分泌量を測り、全身的に異常がないか確認します。

治療

原因に応じて治療します。涙の分泌不足には点眼液、軟膏薬を使います。まぶたの変形は、重度では外科手術が必要です。ホルモン病が疑われる場合はホルモン検査など精密検査が必要です。



水晶体脱臼

目の中の水晶体を支える糸(チン小帯)が断裂し正常な位置にない状態です。前方脱臼、後方脱臼に分類され、特に前方脱臼は痛みを伴うことがあるため早急な治療が必要です。

症状 目の中に丸い線が見える、目をショボショボさせる、充血があるなどです。

原因 

好発犬種(テリア種)である、顔面を強打した、目に腫瘍がある、緑内障があるなどです。

診断

目に光を当てて水晶体の位置を確認します。必要であれば超音波検査も行います。

治療

前方脱臼の場合は角膜に傷をつけ痛みを伴うため、点眼薬などで後方脱臼させます。後方脱臼の場合は痛みがほぼないため経過観察します。根本的な治療は水晶体の摘出手術が必要です。