🐾「片方の睾丸だけ大きい?最近なんだか変わった?」
精巣腫瘍(せいそうしゅよう)について
こんにちは、ガレン動物病院です。
「片側の睾丸(こうがん)が大きくなってきた」
「オス犬なのに乳首が張ってきた?」
「急に攻撃的・落ち着きがない感じがする」
そんな症状が見られたとき、**精巣腫瘍(せいそうしゅよう)**の可能性があります。
🧬 精巣腫瘍とは?
精巣(睾丸)にできる腫瘍のことで、主に以下の3つのタイプがあります:
腫瘍の種類 | 特徴 |
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セルトリ細胞腫 | エストロゲン(女性ホルモン)を過剰に分泌 → メス化徴候あり |
間細胞腫(ライディッヒ細胞腫) | 比較的おとなしい。症状が出ないことも |
精上皮腫(セミノーマ) | 精巣が腫れてくる。転移することもあり |
📌 特に**「セルトリ細胞腫」**はホルモン異常が起こるため、見た目や性格の変化で気づかれることがあります。
🐶🐱 どんな子に多い?
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未去勢の中高齢オス犬(7歳以上)
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**停留精巣(睾丸が陰嚢に下りていない)**の犬は、通常より10倍以上リスクが高い
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猫でも発生することがありますが、非常に稀です
📌 よくある症状
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片側の精巣が大きくなる/硬くなる
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精巣が非対称になっている
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お腹の中に精巣がある(停留精巣)場合、お腹の腫れで気づくことも
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おっぱい(乳腺)が張ってくる
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左右対称の脱毛(お腹や太もも)
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陰部や乳首が赤くなる
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落ち着きがない/攻撃的になる
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貧血・元気消失(ホルモン異常が強い場合)
📌 初期は無症状のことも多く、「たまたま見つかった」ということもあります。
🩺 診断と検査
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触診(精巣の大きさ・硬さ)
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超音波検査:精巣やお腹の中(停留精巣)の評価
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レントゲン/CT検査:腫瘍の転移(リンパ節・肺など)を確認
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血液検査・ホルモン検査:貧血やホルモン異常を評価
💊 治療方法
✅ 外科手術(去勢手術+腫瘍摘出)
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腫瘍化した精巣を摘出することで、ホルモン異常や腫れが改善されるケースが多い
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**両方の精巣を摘出(去勢)**するのが基本です
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停留精巣がある場合は開腹して摘出します(転移や悪性化しやすいため)
✅ 補助療法
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転移がある場合:抗がん剤などを検討することもあります
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ホルモン異常による貧血や乳腺肥大には、補助的な治療が必要になることもあります
🕰 予後(生存期間)
腫瘍の種類 | 特徴と予後 |
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セルトリ細胞腫 | 手術でホルモン症状が改善し、再発も少なく予後良好 |
間細胞腫 | 良性が多く、摘出で完治することが多い |
精上皮腫(セミノーマ) | 転移の可能性あり。早期摘出で良好、進行例では追加治療が必要 |
💬 まとめ
精巣腫瘍は、「未去勢のオス犬」なら誰にでも起こりうる病気です。
特に停留精巣の子は、若いうちからリスクが高いため、定期的な検診や早期の去勢手術が強く推奨されます。
「片側だけ大きい」「最近なんとなく変わった?」
そんな違和感に気づいたら、まずはご相談ください。
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