🐾「首にしこり?最近よく食べるのに痩せてきた…」
甲状腺腫瘍(こうじょうせんしゅよう)について
こんにちは、ガレン動物病院です。
「首にしこりのようなふくらみがある」
「食欲はあるのにどんどん痩せてきた」
「高齢になってから、なんとなく性格が変わった気がする…」
そんなときに考えられるのが、**甲状腺腫瘍(こうじょうせんしゅよう)**です。
犬と猫で発症の仕方や治療方針が異なるため、それぞれご紹介します。
🐶 犬の甲状腺腫瘍
特徴
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中高齢の未去勢・未避妊犬(8歳以上)で発症が多い
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多くが**悪性腫瘍(甲状腺癌)**で、進行が早く、周囲の血管・器官・肺などへの転移も起こりやすい
症状
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首(喉元)にしこり・腫れ
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咳、呼吸音が変わる、声がかすれる
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食欲や元気はあるのに体重が減る
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飲み込みにくそうな仕草をする
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進行すると、食欲低下や元気消失が目立つ
診断
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触診、超音波検査、血液検査(T4測定)
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細胞診やCTで転移や浸潤の範囲を確認
治療
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外科的摘出(片側甲状腺)+転移予防のモニタリング
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放射線治療や抗がん剤治療を併用する場合も
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予後は腫瘍の大きさ・転移の有無により異なる
🐱 猫の甲状腺腫瘍(≒甲状腺機能亢進症)
特徴
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ほとんどが良性腫瘍(腺腫)によるホルモン過剰分泌
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甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)として知られています
よくある症状
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食欲が旺盛なのに痩せてきた
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多飲多尿
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落ち着きがなくなり、夜鳴きや徘徊
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嘔吐・下痢が増える
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心拍数が速くなる(心雑音)
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首にしこりが触れることも
📌 高齢猫では非常に多い内分泌疾患のひとつで、“食欲があるから元気”と見過ごされやすいです。
診断
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血液検査(T4測定、甲状腺ホルモン)
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超音波・触診による腫瘍確認
治療
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内科治療(メルカゾールなどの抗甲状腺薬):毎日投薬でホルモンを抑える
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外科的摘出(若く健康な猫で推奨)
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放射性ヨウ素治療(I-131):腫瘍のみをピンポイントで破壊。根治を目指せる最良法(限られた施設で対応)
🕰 予後(生存期間の目安)
種別 | 治療内容と予後 |
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犬の甲状腺癌 | 転移がなければ手術で1年以上の延命も可能/転移ありだと数ヶ月程度 |
猫の良性腫瘍 | 適切な治療で数年の長期管理が可能。放射性ヨウ素治療なら完治例も多数 |
💬 まとめ
甲状腺腫瘍は、犬では悪性が多く注意が必要、猫ではホルモン異常のコントロールが治療の中心です。
「首にしこりがある」
「食べているのに痩せてきた」
「性格や行動が変わった」
そんなサインに気づいたら、どうぞ早めにご相談ください。高齢になったら年1回の血液検査がおすすめです。
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