🐾「足をかばって歩いてる…関節じゃなくて“骨の腫瘍”かも?」
骨の腫瘍(骨腫瘍・こつしゅよう)について
こんにちは、ガレン動物病院です。
「びっこをひくようになった」
「足を痛がっているけど、捻ったわけではなさそう…」
「腫れているようだけど、骨折じゃないみたい」
そんなときに疑われる病気のひとつが、**骨の腫瘍(骨腫瘍・こつしゅよう)**です。
🦴 骨腫瘍とは?
骨にできる「できもの」「腫れ」のことで、多くは悪性腫瘍=がんです。
中でも最もよく見られるのが、**骨肉腫(こつにくしゅ/オステオサルコーマ)**という悪性腫瘍で、
急速に骨を壊しながら増殖し、痛みや腫れを引き起こします。
📌 特に大型犬の前足(橈骨・上腕骨)や後ろ足(大腿骨・脛骨)に発生しやすく、肺などへの転移も多い腫瘍です。
🐶🐱 どんな子に多い?
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中高齢(7歳以上)の大型犬(ゴールデン、ラブラドール、グレートデーンなど)に多発
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小型犬・猫でもまれに発症することがあります
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猫の場合、骨肉腫の進行は比較的ゆっくりとされています
📌 よくある症状
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足をかばって歩く/びっこを引く(痛みのサイン)
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骨の部分(手足、肩、膝など)が腫れている・熱を持っている
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触られるのを嫌がる/鳴く
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元気・食欲の低下
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痛み止めを飲んでも症状が改善しない
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進行すると**骨折(病的骨折)**を起こすことも
📌 関節疾患や打撲と間違われやすく、発見が遅れることも少なくありません。
🩺 診断と検査
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レントゲン検査:骨の破壊や変形、腫瘍性病変を確認
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細胞診・組織生検:腫瘍の確定診断のために必要
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CT検査:腫瘍の広がり、肺への転移を評価
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血液検査:貧血や全身状態の確認
💊 治療方法
✅ 外科手術(断脚または患部の切除)
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痛みを取り除き、生活の質(QOL)を大きく改善できます
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犬は3本足でも元気に生活できる子が多く、“断脚=かわいそう”ではありません!
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一部の施設では**患部のみを切除し、骨を再建する手術(患肢温存術)**も可能です
✅ 抗がん剤治療
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骨肉腫は高確率で肺に転移するため、手術後の抗がん剤治療が推奨されます
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副作用は個体差がありますが、多くの子が元気に過ごせます
✅ 緩和治療(内科的管理)
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手術が難しい場合には、痛み止め・抗炎症薬・栄養管理などで症状の緩和を目指します
🕰 予後(生存期間)
治療内容 | 平均生存期間(目安) |
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手術+抗がん剤 | 約10〜12ヶ月以上(個体による延長あり) |
手術のみ | 約4〜6ヶ月(転移の進行による) |
緩和治療のみ | 数週間〜数ヶ月(腫瘍の進行による) |
猫の骨肉腫(進行が遅いため) | 外科切除で2年以上生存する例もあり |
💬 まとめ
骨腫瘍は強い痛みを伴い、進行の早い腫瘍です。
でも、早期に治療を始めれば、痛みを取り除き、穏やかに過ごせる時間を延ばすこともできます。
「足をかばう」「腫れている」「治らないびっこ」
そんなサインがあれば、迷わずご相談ください。
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