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股関節脱臼

🐾「急に後ろ足を引きずっている…」

股関節脱臼について

こんにちは、ガレン動物病院です。

「後ろ足を浮かせて歩いている」
「ジャンプのあとに足をつかなくなった」
「触ると嫌がって、歩こうとしない」

そんなとき、股関節の脱臼が疑われます。


🦴 股関節脱臼とは?

股関節は、**骨盤のくぼみ(寛骨臼)と太ももの骨(大腿骨頭)**がボールとソケットのようにかみ合って形成されている関節です。

この連結が外れてしまった状態が「脱臼(だっきゅう)」です。
📌 多くは**大腿骨頭が後方・上方へズレる“後方脱臼”**が起こります。


📌 股関節脱臼の原因は?

  • 抱っこ中の落下、段差からの転倒

  • 交通事故やケンカによる外傷

  • 先天的に股関節がゆるい(股関節形成不全)場合は脱臼しやすい

  • 特に若齢〜中年の活発な犬に多く、小型犬・大型犬問わず起こります


🐾 よく見られる症状

  • 後ろ足を完全に浮かせる(非負重跛行)

  • びっこを引いて歩く、ケンケンのような歩行

  • 痛みでうずくまる/動きたがらない

  • 股関節周囲の腫れ、足の長さの左右差が見られることも

  • 抱っこや足を触ると「キャン!」と鳴くことも

📌 脱臼は“見た目だけでは判断が難しい”ことも多く、レントゲン検査が重要です。


🩺 診断と治療

🔍 診断方法

  • 触診・歩行観察で異常な関節の動きを確認

  • レントゲン検査で骨の位置・関節のゆるみを確認し、ほかの骨折との鑑別も行います

🛠 治療方法

✅ 1. 整復(関節を元に戻す処置)

  • 軽度な脱臼や発症から時間が経っていない場合、麻酔下で「整復(元に戻す)」が可能です

  • 整復後はスリング(包帯)で2〜3週間固定

✅ 2. 手術(再脱臼・整復不可の場合)

  • 靱帯や関節包が損傷し不安定な場合、外科的手術が必要になります

  • よく行われる手術:

    • 大腿骨頭切除術(FHO):脱臼しやすい関節をあえて切除し、筋肉による支持で痛みなく歩けるようにする

    • トグルピン、スクリュー併用の観血的整復
    • 人工股関節置換術(高度医療施設で対応)


🏡 術後・整復後のケア

  • 安静期間を守ることが非常に重要(再脱臼予防)

  • 滑りやすい床にマットを敷く

  • 段差やジャンプを避ける

  • 体重管理を徹底して、股関節への負担を減らす

  • 徐々にリハビリを始めて筋肉を取り戻していきます


💬 まとめ

股関節脱臼は突然起こる痛みの強い整形疾患です。
「足をつかない」「歩き方がおかしい」などの症状が見られた場合は、早期に正確な診断と処置を受けることがカギとなります。

 

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