🍽️【食欲増進、過剰な喉の渇き、元気がない…それ、上皮小体機能亢進症かもしれません】
上皮小体機能亢進症について
こんにちは、ガレン動物病院です。
今回は、犬や猫に見られる内分泌系の疾患、上皮小体機能亢進症(別名:高カルシウム血症)についてご紹介します。
🩺 上皮小体機能亢進症とは?
上皮小体機能亢進症(Hyperparathyroidism)は、上皮小体(副甲状腺)が過剰に働き、カルシウムのバランスが乱れる病気です。
副甲状腺は、カルシウムの血中濃度を調節する役割を担っていますが、何らかの理由で副甲状腺が過剰にホルモンを分泌すると、カルシウムが過剰になり、体内でさまざまな異常を引き起こします。特に、カルシウムの過剰分泌が骨に影響を与え、骨が弱くなることがあります。また、高カルシウム血症は、腎臓や消化器系にも影響を与えることがあります。
📌 上皮小体機能亢進症は早期に発見し、適切な治療を行わないと、骨や腎臓に深刻な問題を引き起こす可能性があります。
🐶🐱 どんな猫や犬に多いの?
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高齢の犬や猫(年齢とともに副甲状腺の異常が発生しやすくなります)
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特定の犬種や猫種(例えば、ビーグル、ダックスフンド、トイプードルなど)
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腫瘍や腺腫が原因となることがある(副甲状腺腫瘍が原因で機能亢進症を引き起こすことがあります)
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慢性腎疾患がある動物(腎臓の問題が副甲状腺機能に影響を与えることがあります)
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過去に骨に問題があった動物(骨折や骨疾患が副甲状腺の異常と関連していることがあります)
📌 主な症状
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食欲の増加(過剰なカルシウムが体に影響を与え、食欲が増進することがあります)
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多飲多尿(体内のカルシウムが過剰に分泌されることで、頻繁に水を飲んだり、尿を多く排出することがあります)
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元気がない、活動量が低下する(カルシウム過剰により、体調が不安定になることがあります)
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嘔吐や下痢(消化器系への影響)
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骨の弱さや骨折が起こりやすい(過剰なカルシウムが骨に影響を与え、骨が脆弱になることがあります)
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食欲不振(消化不良や腸への影響が原因で食欲が低下することがあります)
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筋力低下や震え(神経系に影響を与えることがあります)
📌 上皮小体機能亢進症は、カルシウム過剰が引き起こす全身的な症状で、放置すると骨折や腎不全を引き起こすことがあります。
🩺 診断と検査
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血液検査:血液中のカルシウム、リン、PTH(副甲状腺ホルモン)を測定し、カルシウムの過剰を確認します。特に高カルシウム血症の状態が示される場合が多いです。
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超音波検査:副甲状腺腫瘍の有無を調べるために使用されます。腫瘍が原因の場合、超音波で検出できることがあります。
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レントゲン検査:骨の異常や骨密度の低下を確認するために使用します。高カルシウム血症は骨の脆弱化を引き起こすため、レントゲンでの確認が重要です。
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尿検査:腎臓に影響が出ている場合、尿の成分や腎機能を調べるために使用されます。
💊 治療方法
✅ 薬物療法
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カルシウム拮抗薬(過剰なカルシウムを調整するために使用されることがあります)
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ビスフォスフォネート薬(骨の吸収を抑える薬)
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利尿薬(腎臓への負担を減らすために使用されることがある)
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副甲状腺ホルモン拮抗薬(副甲状腺ホルモンの過剰分泌を抑える薬)
✅ 外科的治療
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副甲状腺腫瘍の摘出手術(副甲状腺腫瘍が原因であれば、腫瘍の摘出が必要となる場合があります)
✅ 食事管理
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低カルシウム食(過剰なカルシウム摂取を避けるために、特別な療法食を与えることがあります)
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骨の健康をサポートする食事(カルシウムやリンのバランスを整えるために使用されることがあります)
🕰 予後と注意点
状況 | 備考 |
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軽度の場合 | 薬物療法と食事管理で症状が改善することが多い |
重度の場合 | 外科的手術や長期的な治療が必要で、腎臓や骨の健康を守るための管理が重要 |
再発のリスク | 腫瘍が原因の場合、再発のリスクがあるため、定期的な検査と経過観察が必要 |
📌 上皮小体機能亢進症は、早期に治療を行うことで予後が良好なことが多いですが、腎臓や骨への影響があるため、治療後の管理が大切です。
🏠 ご家庭でのケア
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水分補給をしっかり行い、脱水症状を防ぐ
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療法食を与え、カルシウムやリンのバランスを調整する
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骨や腎臓の健康をサポートするためのサプリメント(獣医師と相談して使用)
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定期的な健康診断でカルシウムと腎機能をチェックする
💬 まとめ
上皮小体機能亢進症は、副甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることによって引き起こされる疾患で、カルシウム過剰が骨や腎臓に深刻な影響を与える可能性があります。
早期に治療を行うことで、症状の改善と再発防止が期待できます。
「多飲多尿」「食欲増加」「元気がない」などの症状が見られた場合は、早めにご相談ください。
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