🐾「発情が長い?毛が抜ける?…それ、卵巣の異常かも」
卵巣腫瘍(らんそうしゅよう)について
こんにちは、ガレン動物病院です。
「避妊していないけど、発情が長すぎる気がする」
「最近、乳腺が張ってきた」
「急に毛が抜けたり、お腹が膨れてきた」
そんなとき、**卵巣腫瘍(らんそうしゅよう)**が原因になっているかもしれません。
🧬 卵巣腫瘍とは?
卵巣に発生する腫瘍で、主に以下の3タイプに分類されます:
腫瘍のタイプ | 特徴 |
---|---|
顆粒膜細胞腫(かりゅうまさいぼうしゅ) | 最も多い。女性ホルモン(エストロゲン)を過剰分泌する |
卵胞腫、黄体腫など | ホルモンを出す良性腫瘍が多い |
卵巣癌・未分化癌 | 悪性で転移しやすく、進行すると全身に影響が出ることも |
📌 卵巣は腹腔内にあるため、外からは見えにくく、発見が遅れやすい臓器です。
🐶🐱 どんな子に多い?
-
未避妊の中高齢メス(6〜7歳以上)
-
犬・猫ともに発生しますが、犬の方がやや多く報告されています
-
避妊手術をしていれば、基本的に予防可能
📌 よくある症状
ホルモンバランスが乱れることで、以下のような変化が起きます:
-
発情が長く続く、周期が不規則
-
外陰部の腫れ、おりものが出る
-
乳腺が張る・乳汁が出る(偽妊娠のような状態)
-
左右対称の脱毛(ホルモン性脱毛)
-
活動性の低下、食欲不振、元気がない
-
お腹の張り、腹部のしこりを感じることも
-
進行時には貧血・体重減少・腹水の増加
📌 症状があっても「加齢のせい」と思われ、見逃されやすい腫瘍です。
🩺 診断と検査
-
超音波検査(エコー):卵巣の腫大やしこりを確認
-
レントゲン検査:腫瘍の大きさや腹腔内への影響を評価
-
血液検査・ホルモン検査:エストロゲン・プロゲステロンの異常を調べる
-
病理検査(摘出後):腫瘍の確定診断・悪性度評価
💊 治療方法
✅ 卵巣・子宮の摘出手術(避妊手術)
-
卵巣腫瘍の治療は、外科的に卵巣(+子宮)を摘出するのが基本です
-
ホルモン異常による症状も手術後に改善することが多いです
-
進行していた場合は、抗がん剤治療や緩和ケアを検討することもあります
🕰 予後(生存期間)
腫瘍のタイプ | 予後の目安 |
---|---|
良性腫瘍(黄体腫・卵胞腫) | 摘出で完治可能・予後良好 |
顆粒膜細胞腫 | 転移が少なければ摘出のみで長期生存も可能 |
卵巣癌・未分化癌 | 転移・腹水があると予後不良、全身治療が必要なことも |
💬 まとめ
卵巣腫瘍はまれな病気ではありますが、未避妊の子にとっては現実的なリスクのひとつです。
-
発情が長い
-
脱毛が左右対称に起きている
-
お腹が張ってきた
――そんな変化が見られたら、「ホルモンの病気」かもしれません。
まずは超音波検査で、卵巣や子宮の状態を確認することが大切です。
📞 ご予約・お問い合わせはこちら
ネット予約 ▶︎ https://5.mfmb.jp/mobile/index.php?PHPSESSID=578pnba6ipr9e0ko5igj8dkt70&clinic_number=900991
電話 ▶︎ 055-972-6770