🍽️【体重減少、食欲増加、元気がない…それ、猫の甲状腺機能亢進症かもしれません】
猫の甲状腺機能亢進症について
こんにちは、ガレン動物病院です。
今回は、猫に多く見られる内分泌疾患、甲状腺機能亢進症についてご紹介します。
🩺 甲状腺機能亢進症とは?
甲状腺機能亢進症(Hyperthyroidism)は、甲状腺が過剰にホルモンを分泌することにより引き起こされる疾患です。
甲状腺は首に位置する小さな腺で、体の新陳代謝を調節する重要なホルモン(チロキシン)を分泌します。甲状腺機能亢進症では、甲状腺が異常に活発にホルモンを分泌し、新陳代謝が過剰になります。この疾患は、特に高齢の猫に多く見られます。
📌 甲状腺機能亢進症は、早期に診断し治療しないと、心臓や腎臓に重大な影響を及ぼす可能性があります。
🐱 どんな猫に多いの?
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高齢の猫(甲状腺機能亢進症は特に12歳以上の猫に多く見られます)
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去勢または避妊手術を受けた猫(去勢または避妊がホルモンに影響を与えることがあり、甲状腺に異常が出やすい)
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肥満の猫(肥満がホルモンのバランスを崩すことがあります)
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甲状腺腫瘍がある猫(ほとんどの場合、甲状腺機能亢進症は良性腫瘍によるものです)
📌 主な症状
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体重減少(食事量が増えても体重が減少します)
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食欲増加(食べても食べても体重が増えない)
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多飲多尿(水をたくさん飲み、頻繁に尿を排出します)
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元気がない、活動量の低下
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毛艶が悪くなる(毛がぼさぼさになり、抜け毛が増えることがあります)
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嘔吐や下痢(消化不良や腸の動きが過剰になることがあります)
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心拍数の増加(心臓に過剰な負担がかかり、動悸や不整脈が生じることがあります)
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呼吸が速くなる(過剰な代謝活動により呼吸数が増加することがあります)
📌 甲状腺機能亢進症を放置すると、心臓や腎臓、肝臓への深刻な影響が出る可能性があります。
🩺 診断と検査
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血液検査:甲状腺ホルモン(T4)のレベルを測定し、甲状腺機能亢進症を確認します。
血液検査でT4の濃度が高いことが確認されれば、診断が確定します。 -
超音波検査:甲状腺の状態を確認するため、腫瘍や異常がある場合に超音波で調べます。
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レントゲン検査:胸部のレントゲンを撮り、心臓の拡大など、甲状腺機能亢進症が引き起こす影響を確認します。
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甲状腺シンチグラフィー:甲状腺機能亢進症の診断を確定するために、放射線を使った検査です。
💊 治療方法
✅ 薬物療法
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抗甲状腺薬(メチマゾールなど):甲状腺ホルモンの過剰分泌を抑える薬です。口服薬や外用薬の形で投与されます。
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β遮断薬(心拍数が異常に速くなる場合、心臓への負担を軽減するために使用します)
✅ 外科的治療
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甲状腺摘出手術:腫瘍が原因で甲状腺機能亢進症が発症している場合、過剰な甲状腺を外科的に摘出することがあります。
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部分的な甲状腺摘出手術:甲状腺が腫れている場合、片方の甲状腺を摘出する手術が行われることがあります。
✅ 放射線治療
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放射線療法(放射性ヨウ素治療):過剰に働いている甲状腺の一部を放射線で治療する方法です。この治療は、薬の服用や手術に代わる非侵襲的な選択肢です。
✅ 食事管理
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低ヨウ素食(甲状腺機能亢進症の治療を補完するために使用される療法食)
🕰 予後と注意点
状況 | 備考 |
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軽度の場合 | 薬物療法で症状が改善することが多い |
重度の場合 | 外科手術や放射線治療が必要で、長期的な経過観察が重要 |
再発のリスク | 治療後も定期的な検査が必要で、再発することがあります |
📌 甲状腺機能亢進症は治療により症状が改善しますが、治療後の継続的な管理が必要です。
🏠 ご家庭でのケア
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薬をきちんと服用させる(獣医師の指示通りに薬を服用させることが重要)
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ストレスを減らす(環境の変化やストレスが症状を悪化させることがあるため、静かな環境を提供する)
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水分補給をしっかり行い、脱水症状を防ぐ
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定期的な健康診断で甲状腺の状態をチェックする
💬 まとめ
甲状腺機能亢進症は、甲状腺が過剰にホルモンを分泌することによって代謝が異常に速くなる疾患で、特に高齢猫に多く見られます。
早期に診断し、適切な治療を行うことで症状の改善が期待できます。
「体重減少」「多飲多尿」「元気がない」などの症状が見られた場合は、早めにご相談ください。
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