🐶「トイレの時間が長い、うんちが細くなった…」
犬の前立腺癌(ぜんりつせんがん)について
こんにちは、ガレン動物病院です。
「最近おしっこが出づらそう」
「排便時にいきむようになった」
「歩き方が変で、後ろ足がふらついている気がする」
そんな症状が見られたとき、**高齢のオス犬で気をつけたいのが“前立腺癌”**です。
🧬 前立腺とは?
前立腺は、オス犬の膀胱のすぐ下にある小さな器官で、精液の一部をつくる働きがあります。
若いうちはほとんど気にならない臓器ですが、中高齢になると腫れたり、腫瘍ができることがあります。
📌 特に「去勢していないオス犬」では前立腺肥大がよく見られますが、
**“去勢済みでも発生する”**のが前立腺癌の特徴です。
🐶 どんな子に多い?
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中高齢(8歳以上)のオス犬
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去勢の有無に関係なく発症する
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発見時にはすでに他の臓器へ転移していることも多い
📌 猫の前立腺癌は非常に稀です。
📌 よくある症状
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排尿しづらい、トイレの時間が長い
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排便時にいきむ、便が細くなる
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血尿・頻尿・失禁
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後ろ足のふらつき・不安定な歩行(神経圧迫)
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元気・食欲の低下、体重減少
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お尻やお腹を触るのを嫌がる
📌 症状だけでは「膀胱炎」や「ヘルニア」と間違えられることもあります。
早期の画像検査がカギになります。
🩺 診断と検査
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直腸からの触診:前立腺の硬さ・腫れをチェック
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腹部エコー検査:前立腺の腫大、腫瘍の有無を確認
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レントゲン/CT検査:転移(肺・リンパ節・骨など)の有無を評価
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尿検査・細胞診:炎症やがん細胞の可能性を確認
💊 治療法
✅ 完全切除は困難
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前立腺癌は周囲の組織に浸潤しやすいため、外科的に取り除くことが難しいケースが多いです
✅ 内科的・緩和的治療
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抗がん剤:効果に限りはありますが、進行を一時的に抑える目的で使用
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非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs):炎症を抑え、排尿の改善や腫瘍の進行抑制にも役立つことがあります
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排尿・排便のサポートケア(圧迫排尿、便を柔らかくする処置など)
📌 治療は完治を目指すよりも、生活の質(QOL)を保つことが中心になります。
🕰 予後(生存期間)
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平均:診断後3~6か月程度(個体差あり)
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抗がん剤やNSAIDsに反応した場合は半年~1年の延命例もあります
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肺や骨への転移がある場合は、緩和ケア中心の対応に
💬 まとめ
前立腺癌は目立った初期症状がなく、発見時には進行していることが多い腫瘍です。
でも、
「排尿の様子が変わった」
「トイレの時間が長くなった」
「お尻まわりを気にする」
――そんな変化に早く気づいてあげることが、愛犬を守る第一歩です。
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