🍽️【体重増加、元気がない、毛が薄くなる…それ、犬の甲状腺機能低下症かもしれません】
犬の甲状腺機能低下症について
こんにちは、ガレン動物病院です。
今回は、犬に多く見られる内分泌疾患、甲状腺機能低下症についてご紹介します。
🩺 甲状腺機能低下症とは?
甲状腺機能低下症(Hypothyroidism)は、甲状腺が正常にホルモンを分泌できなくなる疾患です。
甲状腺は体の代謝を調節するホルモン(主にT4:サイロキシン)を分泌していますが、このホルモンが不足すると、体内の新陳代謝が低下し、さまざまな症状が現れます。甲状腺機能低下症は特に中高齢の犬に多く見られますが、犬種によっては遺伝的にかかりやすい場合もあります。
📌 甲状腺機能低下症は、治療をしないと体調不良が進行し、生活の質が低下するため、早期の診断と治療が重要です。
🐶🐱 どんな犬に多いの?
-
中高齢の犬(特に5歳以上の犬)
-
特定の犬種(例:ゴールデン・レトリーバー、ダックスフンド、シベリアン・ハスキー、ボクサー、コッカー・スパニエルなど)
-
肥満の犬(肥満がホルモンバランスを崩し、甲状腺機能低下を引き起こしやすい)
-
遺伝的要因(甲状腺機能低下症が遺伝的にかかりやすい犬種がある)
📌 主な症状
-
体重増加(食事量が変わらなくても体重が増える)
-
元気がない、活動量の低下(甲状腺ホルモンの不足によりエネルギーが低下し、元気がなくなる)
-
毛艶が悪くなる、脱毛(毛が薄くなり、特に背中や尾、顔の周りで脱毛が見られることが多い)
-
寒がり(寒さに敏感になり、震えたり、暖かい場所を好むようになる)
-
皮膚の乾燥やかゆみ(皮膚が乾燥し、かゆみを伴うことがある)
-
耳の感染症(耳の中が赤くなり、汚れや匂いが強くなることがある)
-
食欲の低下や吐き気(一部の犬では食欲が減退することがあります)
-
便秘(腸の動きが鈍くなり、便秘が続くことがある)
📌 甲状腺機能低下症を放置すると、心臓や腎臓への負担が増し、症状が悪化することがあります。
🩺 診断と検査
-
血液検査:血液中の甲状腺ホルモン(T4)およびTSH(甲状腺刺激ホルモン)のレベルを測定します。通常、甲状腺機能低下症が疑われる場合、T4の値が低く、TSHの値が高いことが確認されます。
-
甲状腺ホルモン検査:血液中のT4とT3のレベルを確認し、甲状腺の機能を詳細に評価します。
-
超音波検査:甲状腺の状態を視覚的に確認するため、超音波を使用することがあります。
-
尿検査:腎臓やその他の内臓の機能も調べ、甲状腺機能低下が体全体に影響を与えていないか確認します。
-
生理学的評価:代謝の変化を把握するために、体温や心拍数、呼吸数のチェックも行います。
💊 治療方法
✅ 薬物療法
-
甲状腺ホルモン補充薬(レボチロキシン):最も一般的な治療法で、甲状腺ホルモンを補うことで、正常な代謝をサポートします。これにより症状の改善が期待できます。
-
定期的なホルモンのモニタリング:薬の効果を確認するため、定期的に血液検査を行い、ホルモンのレベルを調整します。
✅ 食事管理
-
特別な療法食:甲状腺機能低下症に対応した療法食を与えることで、体重管理や消化器の健康をサポートすることができます。
✅ サプリメント
-
オメガ3脂肪酸やビタミンE:皮膚や毛艶を改善するために、サプリメントを与えることが有益な場合があります。
🕰 予後と注意点
状況 | 備考 |
---|---|
軽度の場合 | 甲状腺ホルモン補充療法で症状が改善し、元気を取り戻すことが多い |
重度の場合 | 定期的な血液検査と薬物調整が必要で、早期治療により予後が改善します |
再発のリスク | 甲状腺機能低下症は治療後も継続的な管理が必要で、再発することがあります |
📌 甲状腺機能低下症は早期に治療することで予後が良好なことが多いですが、長期的な管理が必要です。
🏠 ご家庭でのケア
-
定期的に薬を服用させる(獣医師の指示通りに薬を服用させ、症状が改善しても途中で止めないことが重要)
-
健康的な食事を提供する(療法食や、獣医師が推奨する食事を与える)
-
体重管理を行う(肥満がある場合、食事制限と適切な運動が重要です)
-
定期的な健康診断を受ける(甲状腺ホルモンのレベルをチェックし、適切に管理します)
💬 まとめ
甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンの不足によって代謝が低下し、さまざまな症状が現れる病気です。
早期に診断し、薬物療法での治療を行うことで、症状が改善し、元気を取り戻すことができます。
「体重増加」「元気がない」「毛が薄くなる」などの症状が見られた場合は、早めにご相談ください。
📞 ご予約・お問い合わせはこちら
ネット予約 ▶︎https://5.mfmb.jp/mobile/index.php?PHPSESSID=578pnba6ipr9e0ko5igj8dkt70&clinic_number=900991
電話 ▶︎055-972-6770
ガレン動物病院
静岡県駿東郡清水町八幡61-1
対応エリアのご案内
ガレン動物病院は、三島市・沼津市・函南町・長泉町・伊豆市・裾野市・御殿場市・富士市・富士宮市・静岡市・箱根町など、静岡県・神奈川県東部エリアからも多くの飼い主様にご来院いただいています。
ペットの症状やお困りごとがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。