💊「抗がん剤ってかわいそう…?」
犬・猫の抗がん剤治療について
こんにちは、ガレン動物病院です。
「がんと言われたけど、抗がん剤って苦しむんじゃないの?」
「副作用が強くて食べられなくなるって聞いたけど…」
「本当にうちの子に必要なのか不安です」
そんな声を、飼い主さんからよくいただきます。
今日は、**犬や猫における抗がん剤治療の「本当のところ」**について、できるだけわかりやすくお伝えします。
🧬 抗がん剤とは?
抗がん剤は、がん細胞の増殖を抑える薬です。
血液のがん(白血病・リンパ腫など)や、手術で取り切れなかった腫瘍、転移のある腫瘍などに使用されます。
📌 犬猫では「完治を目指す」というよりも、
**“症状をコントロールして、生活の質(QOL)を保つ”**という目的で使うことがほとんどです。
🐾 犬・猫に使われる抗がん剤の例
名前(一般名) | 対象となるがん |
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ドキソルビシン | 組織球肉腫・血管肉腫・骨肉腫など |
ビンクリスチン | リンパ腫・白血病など |
シクロフォスファミド | 多くのがんに汎用的に使用 |
L-アスパラギナーゼ | リンパ腫(特に猫) |
トセラニブ(パラディア®) | 消化管間質腫瘍(GIST)、肥満細胞腫など |
💬 よくある誤解と本当の話
❌「副作用で吐いたり毛が抜けたりしてつらそう…」
✅ → 実際には9割以上の動物がほとんど副作用なく治療を受けています。
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犬猫は人よりも抗がん剤に強く、副作用が軽いことが多い
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毛が抜けることはほとんどありません(プードルなど一部犬種を除く)
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副作用が出た場合も、投薬スケジュールや量を調整することで対応可能です
❌「抗がん剤って毎日投与するの?」
✅ → 多くの場合、1〜3週間に1回の通院治療です。
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皮下注射や点滴での投与が中心
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通院が難しい場合は、飲み薬や在宅管理で行えるケースもあります
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体調に応じてスケジュールは柔軟に調整可能です
❌「高額な治療費がずっとかかるのでは?」
✅ → がんの種類や体重により異なりますが、1回あたり数千〜1万円台が目安です。
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犬猫の抗がん剤は、人に比べて少量ですむためコストも比較的抑えられています
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治療期間や回数はがんの種類・目的に応じて異なるので、事前にしっかりご相談いただけます
🩺 抗がん剤の目的とゴール
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がんの進行を遅らせる
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症状をやわらげ、苦痛を軽減する
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手術や放射線との組み合わせで延命・寛解を目指す
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生活の質(QOL)をできる限り保つ
📌 「がん=不治」ではなく、「がんと付き合って生きていく」ための選択肢のひとつが抗がん剤です。
💬 まとめ
抗がん剤治療は「つらい」「苦しい」と思われがちですが、
犬や猫にとっては“穏やかに過ごすための手段”であることが多いのです。
大切なのは、
「その子らしく、できるだけ長く、快適に生きること」。
ご家族と相談しながら、その子にとってベストな治療選択を一緒に考えていきましょう。
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