🐾「急にぐったりした…」それ、脾臓の腫瘍かもしれません
脾臓腫瘍(ひぞうしゅよう)について
こんにちは、ガレン動物病院です。
「最近ちょっと元気がないけど、様子を見ていたら急に倒れた」
「お腹が張ってる気がする」
「健康診断のエコーで“脾臓にしこりがある”って言われた」
そんなときに疑われる病気のひとつが、**脾臓腫瘍(ひぞうしゅよう)**です。
🩸 脾臓ってどんな臓器?
脾臓は、左側のお腹の中にある“血液のフィルター”のような臓器です。
古くなった赤血球を壊したり、免疫に関わったりする役割があります。
📌 血管が豊富な臓器なので、腫瘍ができると出血しやすく、破裂すると命に関わることもあります。
🧬 脾臓にできる腫瘍の種類
腫瘍の種類 | 特徴 |
---|---|
血管肉腫(悪性) | 非常に進行が早く、破裂・転移しやすい。大型犬に多い |
良性血腫・結節性過形成 | 良性のしこりでも破裂・出血することがある |
脾リンパ腫 | 白血病のような血液のがんの一種。全身症状を伴うことも |
平滑筋腫など | 比較的稀。診断には摘出と病理検査が必要 |
📌 見た目や画像検査だけでは良性か悪性かを判断できないため、摘出して調べる必要があります。
🐶🐱 どんな子に多い?
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中高齢(7歳以上)の犬猫
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特にゴールデン・ラブラドール・ジャーマンシェパードなどの大型犬で多発
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健康診断で偶然見つかることもあれば、破裂して初めて発見されることも…
📌 見られる症状
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最近なんとなく元気がない、疲れやすい
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食欲が落ちてきた
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お腹が張って見える
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貧血、呼吸が浅くなる
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急に倒れる(失神・虚脱)=脾臓が破裂して腹腔内に出血している可能性大
📌 無症状でもかなり腫瘍が進行していることがあります。
定期検診が非常に重要です。
🩺 診断と検査
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腹部超音波検査:しこりや出血の有無を確認
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レントゲン検査:お腹の中の腫瘍や臓器の位置をチェック
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血液検査:貧血・出血・内臓機能の確認
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CT検査や病理検査:正確な腫瘍の種類と転移の評価
💊 治療法と選択肢
✅ 脾臓の摘出手術(脾臓摘出術)
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破裂前に摘出できれば救命率・予後が大きく変わる
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腫瘍の良悪性は、摘出した組織を病理検査して初めてわかります
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悪性腫瘍(血管肉腫)でも、早期発見と外科治療+抗がん剤で延命可能
✅ 緩和ケア(手術が難しい場合)
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出血管理、痛みの緩和、貧血への対応など
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状況に応じて抗がん剤や輸血を検討することもあります
🕰 予後(経過)
腫瘍タイプ | 予後の目安 |
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血管肉腫(悪性) | 手術+抗がん剤で数ヶ月~1年(無治療では数週間のことも) |
良性血腫・過形成 | 完全摘出で完治することも多数 |
リンパ腫 | 全身の治療が必要。抗がん剤に反応すれば生存期間延長可 |
💬 まとめ
脾臓腫瘍は見た目では気づきにくく、破裂すれば命に関わる病気です。
ですが、健康診断や超音波検査で早期に見つけて対応できれば、良好な経過も期待できます。
「なんとなく元気がない」「中高齢になってきたので一度しっかりチェックしたい」
そんなときは、お早めにご相談ください。
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