🍽️【食欲不振、元気がない、体重減少…それ、慢性腎不全かもしれません】
慢性腎不全について
こんにちは、ガレン動物病院です。
今回は、犬や猫に見られる腎臓の疾患、慢性腎不全についてご紹介します。
🩺 慢性腎不全とは?
慢性腎不全(CKD)は、腎臓が慢性的に機能を低下させ、老廃物や毒素を適切に排出できなくなる病気です。
腎臓は血液をろ過して尿を生成し、体内の水分や塩分を調節する重要な役割を持っていますが、慢性腎不全ではこの機能が徐々に失われます。慢性腎不全は長期間にわたって進行し、初期には症状がほとんど現れませんが、進行するにつれて食欲不振や嘔吐、脱水症状などが見られるようになります。
📌 慢性腎不全は特に高齢の犬や猫に多く、早期に発見し、適切に管理することが予後を改善するために非常に重要です。
🐶🐱 どんな子に多いの?
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高齢の犬や猫(特に7歳以上のペット)
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肥満の犬や猫(肥満が腎臓に負担をかけることがあります)
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腎臓に疾患がある動物(腎臓炎や腎臓の慢性的な損傷が進行することがあります)
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遺伝的要因がある動物(特定の犬種や猫種で腎臓疾患が遺伝することがあります)
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慢性の脱水や感染症にかかっている動物
📌 主な症状
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食欲不振や体重減少
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多飲・多尿(腎臓が適切に水分を再吸収できなくなり、過剰に飲み、尿を多く排泄することがあります)
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嘔吐や下痢(腎臓機能の低下に伴い消化不良が起こることがあります)
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口臭(尿毒症によるアンモニア臭)
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元気がない、活動量の低下
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脱水症状(多尿や食欲不振により体内の水分が不足する)
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貧血(腎臓がエリスロポエチンというホルモンを十分に分泌できず、赤血球の生成が低下するため)
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腹部膨満感(腎臓に水分が溜まり、腎臓のサイズが増加することがある)
📌 慢性腎不全は進行性であり、治療が遅れると腎不全が進行し、命に関わる場合があります。
🩺 診断と検査
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血液検査:腎臓の機能を示すクレアチニンや尿素窒素(BUN)、リン、カルシウムなどを測定し、腎不全の状態を評価します
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尿検査:尿の色、比重、尿蛋白、尿沈渣を調べ、腎臓の機能と健康状態を評価します
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超音波検査:腎臓のサイズや形状を確認し、異常がないかを調べます
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レントゲン検査:腎臓や尿管、膀胱の状態を調べます
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血圧測定:腎臓機能低下が進行すると高血圧が併発することがあるため、血圧の確認が重要です
💊 治療方法
✅ 薬物療法
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腎臓保護薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)など、腎臓の損傷を防ぐ薬)
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利尿薬(余分な水分を排出し、腎臓への負担を軽減する薬)
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リン結合薬(腎不全による高リン血症を改善するために使用)
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血圧降下薬(高血圧がある場合に使用)
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制酸薬(胃酸過多や消化不良を防ぐために使用)
✅ 食事管理
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腎臓用療法食(腎臓の負担を軽減し、腎機能をサポートするために調整された特別な食事を与えます)
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低タンパク質・低リン食(過剰な負担を避けるため、腎臓にやさしい食事を選ぶ)
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高繊維食(腸内環境をサポートし、消化不良を防ぐために使用)
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水分補給(十分な水分を摂取することで、腎臓への負担を軽減します)
✅ サポート療法
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点滴療法(脱水症状を防ぐために水分補給を行います)
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栄養補助(必要に応じて栄養補助剤を与えることで体調をサポートします)
🕰 予後と注意点
状況 | 備考 |
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軽度の慢性腎不全 | 食事管理と薬物療法で進行を遅らせることが可能 |
中度の場合 | 定期的な経過観察と治療が必要、症状の管理が重要 |
重度の場合 | 高度な治療や専門的なケアが必要で、予後が不確定になることがある |
📌 慢性腎不全は早期に治療を行うことで予後が改善することが多いですが、長期的な管理と生活習慣の見直しが必要です。
🏠 ご家庭でのケア
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食後は安静にさせ、過度な運動を避ける
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腎臓用療法食を与え、腎臓への負担を減らす
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水分補給をしっかり行い、脱水症状を防ぐ
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定期的に健康診断を受け、腎臓の状態をチェックする
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ストレスを避ける生活環境を整える(ストレスが腎臓に悪影響を与えることがある)
💬 まとめ
慢性腎不全は、腎臓が慢性的に機能を低下させる病気で、進行が遅いこともありますが、早期に診断し、適切な治療を行うことで症状の進行を遅らせることができます。
「食欲不振」「多飲・多尿」「嘔吐」などの症状が見られた場合は、早めにご相談ください。
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