🍽️【多飲多尿、体重減少、食欲増加…それ、猫の糖尿病かもしれません】
猫の糖尿病について
こんにちは、ガレン動物病院です。
今回は、猫に見られる内分泌疾患、糖尿病についてご紹介します。
🩺 糖尿病とは?
糖尿病は、インスリンというホルモンの分泌不足または作用不全によって、血糖値が異常に高くなる病気です。
インスリンは血糖を細胞に取り込ませる役割を果たしており、正常であれば血糖値を一定に保つことができますが、糖尿病の場合、インスリンの分泌が不十分であったり、体がインスリンに反応しにくくなります。その結果、血糖値が上昇し、体内で異常が起こります。
📌 糖尿病は、早期に診断し適切に治療しないと、腎臓や肝臓への負担を増加させ、生命にかかわる可能性もあるため、早期発見が重要です。
🐱 どんな猫に多いの?
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高齢の猫(特に7歳以上の猫に多く見られます)
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肥満の猫(肥満が糖尿病のリスクを高めます)
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去勢または避妊手術を受けた猫(ホルモンのバランスが変わることで発症しやすくなることがあります)
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遺伝的要因がある猫(特定の猫種に糖尿病の遺伝的リスクが高い場合があります。例えば、アメリカンショートヘアやシャム猫など)
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ストレスの多い環境にいる猫(ストレスがホルモンバランスに影響を与え、糖尿病を引き起こすことがあります)
📌 主な症状
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多飲多尿(水をたくさん飲み、頻繁に尿を排出する)
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体重減少(食欲が増しているにも関わらず体重が減少する)
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食欲の増加(食べても体重が増えず、逆に減少することがある)
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元気がない、活動量の低下(エネルギー不足により元気がなくなることがある)
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毛艶が悪くなる(毛が乾燥して毛艶が悪くなることがある)
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頻繁に嘔吐や下痢(消化不良が影響を与えることがある)
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呼吸が速くなる(過剰な血糖値が心臓に負担をかけることがあります)
📌 糖尿病は進行すると、網膜障害や腎臓疾患、心臓に影響を与えることがあり、放置すると致命的な合併症を引き起こすことがあります。
🩺 診断と検査
糖尿病の診断は、血液検査や尿検査を通じて行います。
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血液検査:血糖値を測定し、血糖が高いかどうかを確認します。また、インスリンの分泌具合を評価します。
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尿検査:尿中の糖(グルコース)が検出されることがあります。糖尿病の猫では、尿に糖が含まれていることが特徴です。
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フルクトサミン検査:過去1~2週間の平均血糖値を調べ、糖尿病の状態を把握します。
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血圧測定:高血圧が糖尿病によって引き起こされることがあるため、血圧を測定します。
💊 治療方法
✅ 薬物療法
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インスリン注射(糖尿病の猫には、インスリン注射が必要です。インスリンは毎日注射し、血糖値をコントロールします)
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経口薬(インスリンが効果的でない場合、経口薬を使用することがありますが、注射療法が主流です)
✅ 食事管理
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低カロリー・高繊維食(肥満が原因である場合、ダイエット食を与えることで体重を管理します)
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定期的な食事時間(インスリンの作用を安定させるために、食事の時間を規則正しくすることが重要です)
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低炭水化物食(血糖値の急激な上昇を避けるために、低炭水化物の食事が推奨されることがあります)
✅ 生活習慣の改善
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適度な運動(体重管理や血糖値のコントロールに役立ちます)
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ストレス管理(ストレスが血糖値に影響を与えることがあるため、猫がリラックスできる環境を提供することが大切です)
🕰 予後と注意点
状況 | 備考 |
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軽度の場合 | インスリン療法と食事管理で改善することが多い |
重度の場合 | 高血糖による合併症を防ぐため、早期の治療と継続的な管理が重要 |
再発のリスク | 糖尿病は慢性的な疾患であり、再発のリスクがあるため定期的な検査と治療が必要 |
📌 糖尿病は適切に管理することで、長期間安定した生活が可能ですが、治療を続けることが重要です。
🏠 ご家庭でのケア
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インスリン注射をきちんと行う(獣医師の指示に従ってインスリンを正確に注射することが重要)
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食事管理と運動(適切な食事管理と運動が血糖値のコントロールに不可欠です)
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水分補給を促進する(多飲多尿があるため、常に新鮮な水を提供し、脱水症状を防ぐ)
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定期的に血糖値を測定(家庭で血糖値をモニタリングできる場合もあります。定期的なチェックが重要です)
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定期的な健康診断で糖尿病の進行状況を確認する
💬 まとめ
糖尿病は、インスリンの不足または作用の低下によって、血糖値が異常に高くなる病気で、猫にとっては特に高齢猫に多く見られます。
早期に診断し、インスリン注射と食事管理を行うことで、症状の改善と生活の質の向上が期待できます。
「多飲多尿」「体重減少」「食欲増加」などの症状が見られた場合は、早めにご相談ください。
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