🐾「お腹がふくらんできた…?毛も薄くなってる?」
副腎腫瘍(ふくじんしゅよう)について
こんにちは、ガレン動物病院です。
「最近なんとなくお腹がポッコリしている」
「毛が薄くなってきた気がする」
「水をよく飲む・おしっこが多い」
そんなときに疑われる病気のひとつが、**副腎腫瘍(ふくじんしゅよう)**です。
🧬 副腎とは?
副腎(ふくじん)は、左右の腎臓の上にある小さなホルモンの臓器です。
体にとって重要なホルモン(コルチゾール、アルドステロン、アドレナリンなど)を分泌しています。
この副腎に腫瘍(できもの)ができると、ホルモンが異常に出過ぎてしまい、全身にさまざまな症状が現れます。
🐶🐱 どんな子に多い?
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主に中高齢(7歳以上)の犬猫
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犬では副腎皮質腫瘍によるクッシング症候群(副腎機能亢進症)が多い
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猫での発症はまれですが、起こると進行が早い傾向があります
📌 よくある症状
副腎腫瘍が分泌するホルモンによって症状が異なりますが、以下が代表的です:
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お腹がふくらむ(筋肉が落ちる・脂肪がたまる)
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多飲多尿(お水をよく飲み、おしっこが多い)
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左右対称に毛が薄くなる/皮膚が黒ずむ
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体重は変わらないのに元気がない
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血圧が高くなる/発作・ふらつきが出る(アドレナリン系腫瘍)
📌 いずれも「老化かな?」と見過ごされやすい症状なので要注意です。
🩺 診断方法
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血液検査:電解質異常・肝酵素の上昇など
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ホルモン検査(ACTH刺激試験・LDDSなど):副腎皮質ホルモンの異常を確認
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超音波検査/CT検査:副腎のサイズ・腫瘍の有無や転移を評価
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血圧・尿検査・心電図:全身への影響を確認
💊 治療法
✅ 外科手術(副腎摘出術)
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腫瘍が片側の副腎に限局している場合、外科的に摘出することで完治の可能性があります
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周囲の血管との位置関係によっては高度な外科手術が必要になるため、事前の画像検査が重要です
✅ 内科的治療
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**手術が難しい場合(両側性・高齢・転移ありなど)**は、ホルモン分泌を抑える薬で症状をコントロール
例:クッシング症候群 → トリロスタン(ベトリール®)など -
高血圧、低カリウム血症などの合併症も個別に治療します
🕰 予後(生存期間)
腫瘍のタイプ | 特徴と予後 |
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良性副腎皮質腺腫 | 摘出で完治も期待でき、長期生存可能 |
副腎皮質癌 | 転移があると厳しいが、早期摘出で半年〜1年超生存も可能 |
褐色細胞腫(アドレナリン腫瘍) | 不整脈・発作に注意。コントロールできればQOL維持も可能 |
💬 まとめ
副腎腫瘍は小さな臓器の病気ですが、全身にさまざまな影響を及ぼす“ホルモンの病気”でもあります。
「年齢のせいかな?」と思っていた症状が、実は腫瘍のサインだったというケースも少なくありません。
違和感が続くときは、どうぞお早めにご相談ください。
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