🍽️【お腹が膨らんできた、陰部から分泌物が出る…それ、子宮水症・子宮粘液症かもしれません】
子宮水症・子宮粘液症について
こんにちは、ガレン動物病院です。
今回は、避妊手術をしていない雌犬・雌猫に見られる子宮の病気、子宮水症・子宮粘液症についてご紹介します。
🩺 子宮水症・子宮粘液症とは?
子宮水症・子宮粘液症は、子宮内に水状または粘液状の分泌物が異常にたまる病気です。
感染を伴わない状態で、子宮内膜の分泌腺が過剰に働き、透明な液体(子宮水症)や粘稠な粘液(子宮粘液症)が子宮内に蓄積されることで発症します。これらは子宮蓄膿症(感染を伴う)とは異なり、炎症や発熱が見られないことも多いですが、進行すると子宮破裂や感染症に発展するリスクもあるため、注意が必要です。
📌 子宮水症・子宮粘液症は、早期には無症状のことが多く、発見が遅れると重症化する可能性があります。
🐶🐱 どんな子に多いの?
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避妊手術をしていない中高齢の雌犬・雌猫(5歳以上で発症リスクが高まります)
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ホルモンバランスに変化がある動物(偽妊娠後や発情後など)
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繁殖経験がない、あるいは妊娠歴の少ない動物
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子宮に病変を起こしやすい犬種や猫種(例:シーズー、プードル、ペルシャなど)
📌 主な症状
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腹部膨満感(子宮に液体がたまり、お腹が張ってくる)
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陰部から透明~白濁した分泌物が出る(細菌感染がなければ無臭だが、量が多い場合あり)
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尿の回数が増える(膀胱が圧迫されて頻尿になることがある)
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食欲不振・元気がない(進行すると全身状態に影響が出る)
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発熱や嘔吐、脱水(感染を併発した場合に見られる)
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外陰部を気にするような仕草(舐め続ける、落ち着かない等)
📌 明確な症状がないまま進行することもあるため、中高齢の未避妊雌で腹部が張ってきた場合は要注意です。
🩺 診断と検査
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超音波検査(エコー):子宮の拡張と内部の液体貯留を確認します。最も有効な診断手段です。
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レントゲン検査:子宮の腫大が確認できることがあります。
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血液検査:感染の有無や炎症の指標(白血球数、CRPなど)を確認します。
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膣スメア検査:排出物がある場合、細菌感染がないか調べることがあります。
💊 治療方法
✅ 外科的治療(推奨)
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卵巣子宮摘出手術(避妊手術):根治治療として最も一般的です。再発予防にもつながります。
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子宮水症・粘液症が進行し、感染のリスクが高まっている場合には、早急な手術が推奨されます。
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✅ 内科的治療(軽症例・手術不適応時)
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ホルモン治療(発情抑制や子宮収縮を促す薬剤の投与)
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抗生物質の投与(感染が疑われる場合)
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※ただし、内科的治療は一時的な対処であり、根治的ではないため再発のリスクがあります。
🕰 予後と注意点
状況 | 備考 |
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早期発見・手術実施 | 良好。術後の回復も早く、予後も良いです。 |
放置・進行例 | 子宮破裂や感染症(→子宮蓄膿症)に進行し、命に関わることがあります。 |
内科治療のみ | 再発のリスクが高く、長期管理が必要になります。 |
📌 避妊手術が最も確実な予防法かつ治療法です。未避妊の雌犬・雌猫は定期的な検診をおすすめします。
🏠 ご家庭でのケア
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陰部の観察を習慣に(分泌物や腫れの有無をこまめにチェック)
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お腹が張ってきた・元気がない時はすぐに動物病院へ
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避妊手術を検討していない場合も、定期的に子宮の状態をチェックすることが重要
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術後は清潔と安静を保ち、定期的な経過観察を受ける
💬 まとめ
子宮水症・子宮粘液症は、子宮内に分泌液がたまり、感染や破裂のリスクがある疾患です。
症状が目立ちにくく、進行してから発見されることも少なくありません。
未避妊の中高齢雌の子には特に注意が必要ですので、「お腹が膨らんできた」「陰部が気になる」などの症状があれば、早めにご相談ください。
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