🍽️【尿が出にくい、膀胱が膨らむ…それ、膀胱アトニーかもしれません】
膀胱アトニーについて
こんにちは、ガレン動物病院です。
今回は、犬や猫に見られる尿路の問題、膀胱アトニーについてご紹介します。
🩺 膀胱アトニーとは?
膀胱アトニー(膀胱筋無力症)は、膀胱の筋肉が十分に収縮できない状態で、正常に尿を排出できなくなる疾患です。膀胱は通常、尿がたまると筋肉が収縮して尿を排出しますが、膀胱アトニーがあると、この収縮機能が低下し、尿が膀胱にたまってしまいます。この疾患は、膀胱の筋肉が無力になり、膀胱が膨らんだり、尿の排出が遅れたりするため、尿の排泄に問題を引き起こします。
📌 膀胱アトニーは慢性的に進行する可能性があり、治療しないと尿が膀胱にたまりすぎ、尿路感染症や膀胱の損傷を引き起こすことがあります。
🐶🐱 どんな猫や犬に多いの?
-
高齢の犬や猫(年齢とともに膀胱の筋力が低下し、膀胱アトニーが発症しやすくなる)
-
尿路の問題を持つ動物(尿路結石や膀胱炎があると、膀胱アトニーを引き起こしやすい)
-
神経障害がある動物(神経系の問題により膀胱の筋肉が正常に機能しない場合がある)
-
ホルモン異常のある動物(特にホルモンバランスが崩れると膀胱の筋肉に影響を与えることがあります)
-
肥満の犬や猫(肥満が膀胱に負担をかけ、膀胱アトニーを引き起こすことがあります)
📌 主な症状
-
尿が出にくい、または排尿できない(膀胱が正常に収縮できないため、尿がたまったまま排出されない)
-
膀胱の膨満感(膀胱が尿で膨らみ、触ると痛がることがある)
-
頻繁にトイレに行くが、少量しか排尿しない
-
お腹を触ると痛がる(膀胱が膨らんでいるため、圧痛を感じることがある)
-
尿が漏れる(膀胱が収縮できないため、無意識に尿が漏れ出すことがある)
-
食欲不振や元気がない(尿が溜まりすぎることで体調に影響が出ることがある)
📌 膀胱アトニーを放置すると、膀胱が破裂したり、尿路感染症が引き起こされたりすることがあります。
🩺 診断と検査
-
尿検査:尿の色や成分、尿路に問題がないかを調べ、膀胱アトニーがあるかを確認します
-
血液検査:腎機能や電解質バランスを確認し、膀胱アトニーが腎臓に影響を与えていないかを調べます
-
超音波検査:膀胱の形状や膨らみを確認し、膀胱がどれだけ尿を溜め込んでいるかを調べます
-
膀胱圧測定:膀胱の圧力を測定し、膀胱が適切に収縮できていないかを確認します
-
X線検査:膀胱の大きさや尿路の状態を確認します
💊 治療方法
✅ 薬物療法
-
薬物による膀胱筋の収縮を促進する薬(膀胱の筋肉を強化するための薬)
-
ホルモン療法(ホルモン異常が原因の場合に使用されます)
-
抗生物質(尿路感染症が発生している場合に使用されます)
-
利尿薬(膀胱にたまった尿を排出するために使用されることがあります)
✅ 食事管理
-
低脂肪食(肥満が原因の場合、体重管理が重要です)
-
水分補給(膀胱の健康をサポートするために十分な水分を与えることが必要です)
✅ 外科的治療
-
膀胱の手術(膀胱の機能が著しく低下している場合、膀胱の筋肉を補強する手術が必要になることがあります)
-
膀胱刺激手術(膀胱を強化するための神経刺激を行う手術が行われることがあります)
✅ 環境改善
-
ストレス管理(ストレスが尿失禁を引き起こす一因となるため、飼い主が猫や犬のストレスを減らすことが大切です)
🕰 予後と注意点
状況 | 備考 |
---|---|
軽度の場合 | 薬物療法や食事管理で回復することが多い |
重度の場合 | 外科的治療や長期的な治療が必要で、継続的なケアが重要 |
再発のリスク | 定期的な健康診断や尿路の状態をチェックし、再発を防ぐことが大切 |
📌 膀胱アトニーは早期に治療することで改善が期待できることが多いですが、進行を防ぐためには、継続的な管理が必要です。
🏠 ご家庭でのケア
-
水分補給をしっかり行い、膀胱にたまった尿が排出されるようにサポートする
-
膀胱の圧力を軽減するために、過度な運動を避け、安静を保つ
-
ストレスを減らすために、猫や犬が快適でリラックスできる環境を整える
-
定期的な健康診断を受け、膀胱や尿路の健康状態をチェックする
💬 まとめ
膀胱アトニーは、膀胱の筋肉が弱くなり、尿が正常に排出されない疾患です。
早期に診断し、適切な治療を行うことで予後が改善します。
「尿が出にくい」「膀胱が膨らんでいる」「排尿時に痛みがある」などの症状が見られた場合は、早めにご相談ください。
📞 ご予約・お問い合わせはこちら
ネット予約 ▶︎https://5.mfmb.jp/mobile/index.php?PHPSESSID=578pnba6ipr9e0ko5igj8dkt70&clinic_number=900991
電話 ▶︎055-972-6770
ガレン動物病院
静岡県駿東郡清水町八幡61-1
対応エリアのご案内
ガレン動物病院は、三島市・沼津市・函南町・長泉町・伊豆市・裾野市・御殿場市・富士市・富士宮市・静岡市・箱根町など、静岡県・神奈川県東部エリアからも多くの飼い主様にご来院いただいています。
ペットの症状やお困りごとがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。