🐾足を引きずる・朝の動きがぎこちない…
犬の特発性多発性関節炎について
こんにちは、ガレン動物病院です。
今回は、犬でまれに見られる**自己免疫性の関節疾患「特発性多発性関節炎」**についてご紹介します。
💡特発性多発性関節炎とは?
「特発性」とははっきりとした原因がわからないものを意味します。
この病気は、複数の関節に同時に炎症が起き、痛み・腫れ・運動障害などを引き起こす免疫介在性の病気です。
本来は体を守るはずの免疫が、誤って自分自身の関節を攻撃してしまうことで炎症が起こります。
🐶こんな症状が見られます
歩き方がぎこちない/スキップのような動き
朝起きたときや寝起きに特に動きが悪い(朝のこわばり)
関節が腫れて熱を持っている
足を引きずる/交互にびっこを引く
元気がなくなる/食欲が落ちる
発熱することも
触ると怒る・抱っこを嫌がる
※複数の関節に症状が出るのが特徴です。
🧬なぜ起こるの?
明確な原因は不明ですが、
・ウイルス感染や細菌感染がきっかけとなるケース
・ワクチン接種後やアレルギー反応
・慢性的な免疫の乱れ
などが関連していると考えられています。
また、一部の犬種(柴犬、シェルティ、ラブラドールなど)で報告例が多く、遺伝的素因がある可能性も指摘されています。
🔬診断方法
視診・触診・歩様観察(歩き方や動きのチェック)
関節液の採取・検査(白血球の増加、炎症性変化の確認)
血液検査:炎症マーカー(CRPなど)、リウマチ因子、自己抗体
X線検査:関節の破壊や骨の変形がないか確認
※細菌性関節炎や関節リウマチ、変形性関節症との鑑別が重要です。
💊治療法
治療の基本は、免疫の異常な働きを抑えることです。
✅ ステロイド(プレドニゾロン)
→ 炎症を抑え、痛みを軽減
✅ 免疫抑制剤
→ ステロイドだけでは効果が不十分な場合に使用
(アザチオプリン/シクロスポリンなど)
✅ NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)
→ 痛み止めとして一時的に使用することもあります
📌副作用のチェックのため、定期的な血液検査・体調管理が大切です。
🛡️生活の中でできること
関節に優しい環境(滑らない床・段差を避ける)
暖かく柔らかい寝床の設置
適度な運動(無理のない範囲で筋力維持)
体重管理(関節への負担を軽く)
関節サプリメント(グルコサミン・コンドロイチンなど)の活用も
💬まとめ
特発性多発性関節炎は、一見すると「なんとなく元気がない」「歳のせい?」と思ってしまうような症状から始まる病気です。
放っておくと、関節の変形や歩行困難につながることもあります。
早期の診断・継続的な治療と生活の工夫で、痛みのない生活を目指すことが可能です。
「歩き方が変?」「触られるのを嫌がる」そんな変化に気づいたら、お気軽にご相談ください🐾
📞 ご予約・お問い合わせはこちら
📍365日診療のガレン動物病院
平日・土日・祝日すべて診療しております。
急な体調の変化も、予防・健康診断も、お気軽にご相談ください。
ネット予約 ▶︎ https://5.mfmb.jp/mobile/index.php?clinic_number=900991
電話 ▶︎ 055-972-6770
🚗対応エリアのご案内
ガレン動物病院には、三島市・沼津市・函南町・長泉町・裾野市・伊豆市・御殿場市・富士市・静岡市・箱根町など、
静岡県東部・神奈川県西部エリアからも多くの飼い主さまにご来院いただいています。
📝気になる歩き方の変化や、関節のトラブルがあれば、早めにご相談ください。