🍽️【排尿がうまくできない、膀胱のコントロールが効かない…それ、神経原性排尿障害かもしれません】
神経原性排尿障害について
こんにちは、ガレン動物病院です。
今回は、犬や猫に見られる排尿の問題、神経原性排尿障害についてご紹介します。
🩺 神経原性排尿障害とは?
神経原性排尿障害(Neurogenic Urinary Dysfunction)は、神経系の障害が原因で膀胱の機能が正常に働かなくなる疾患です。
通常、膀胱は脳からの信号により排尿をコントロールしていますが、この神経経路に障害があると、膀胱の収縮や尿道の弛緩がうまくいかなくなり、排尿のタイミングや頻度が乱れます。神経原性排尿障害は、脊髄損傷や神経疾患が原因で発症することが多く、症状としては尿の排出が困難になったり、尿失禁が起きたりします。
📌 神経原性排尿障害は早期に診断し、適切な治療を行わないと、尿路感染症や腎臓への影響が出る可能性があります。
🐶🐱 どんな猫や犬に多いの?
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脊髄損傷や神経疾患のある動物(特に脊髄に損傷がある場合や、神経が影響を受ける疾患がある場合)
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高齢の犬や猫(神経系が衰えることにより、膀胱や尿道のコントロールが難しくなる)
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ヘルニアや椎間板疾患がある動物(椎間板ヘルニアによって神経が圧迫され、膀胱や尿道の神経に影響を与えることがある)
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脳卒中や神経の問題を抱える動物(脳や神経に障害があると、排尿機能にも問題が生じることがあります)
📌 主な症状
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排尿困難(尿がうまく出せない、膀胱に尿が溜まることが多い)
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尿失禁(無意識に尿が漏れ出す)
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膀胱が膨らみすぎている(尿が溜まったままで膀胱が非常に大きくなることがある)
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尿が出ない、または極端に少ない(膀胱が正常に収縮できず、尿を排出できない)
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頻繁にトイレに行くが、少量しか排尿できない
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排尿後に残尿感を感じる(尿が完全に排出されないため、残尿感が続くことがある)
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腹部や腰部に圧痛(膀胱が溜まると膀胱に圧力がかかり、腹部や腰に痛みを感じることがある)
📌 神経原性排尿障害が進行すると、膀胱が破裂したり、尿路感染症や腎臓への影響が出ることがあります。
🩺 診断と検査
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神経学的検査:神経系の障害を特定するため、神経学的な評価を行います。脊髄や神経系に異常がないかを調べます。
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尿検査:尿中の血液や細菌の有無を確認し、尿路に問題がないかを調べます。
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超音波検査:膀胱の状態を確認し、尿が溜まっているか、膀胱に異常がないかを調べます。
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レントゲン検査:膀胱や尿路の状態を確認し、結石や腫瘍などの異常をチェックします。
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膀胱圧測定:膀胱の収縮機能を測定し、膀胱が正常に働いているかを評価します。
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尿流量測定:尿がどれくらいのスピードで排出されるかを測定し、排尿の状態を調べます。
💊 治療方法
✅ 薬物療法
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神経調整薬(膀胱や尿道の神経の働きを調整する薬を使用します)
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抗炎症薬(膀胱や尿道の炎症を抑えるために使用)
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鎮痛薬(膀胱や尿道の痛みを和らげるために使用)
✅ 物理療法
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膀胱のマッサージ(膀胱が溜まりすぎる前に、マッサージによって尿を排出しやすくします)
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尿道刺激法(膀胱を刺激して尿の排出を助ける方法です)
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定期的な排尿の促進(ペットにトイレに行くよう促し、定期的に排尿させることが必要です)
✅ 外科的治療
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膀胱刺激手術(膀胱の収縮を促進するために、手術を行うことがあります)
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尿道手術(尿道の圧迫や閉塞が原因の場合、手術を行うことがあります)
✅ 環境改善
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適切なトイレ環境(尿の排出がしやすい環境を整えることで、ペットの負担を軽減します)
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ストレス管理(ストレスが神経系に悪影響を与えるため、静かな環境作りが大切です)
🕰 予後と注意点
状況 | 備考 |
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軽度の場合 | 薬物療法や物理療法で回復することが多い |
重度の場合 | 長期的な治療が必要で、手術が必要な場合もある |
再発のリスク | 神経系の障害が原因の場合、再発することがあるため、定期的な経過観察が重要 |
📌 神経原性排尿障害は、早期に治療を行うことで予後が改善することが多いですが、継続的な管理と治療が必要です。
🏠 ご家庭でのケア
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定期的にトイレに連れて行く(尿が出るタイミングを逃さず、トイレに連れて行ってあげましょう)
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膀胱の圧力を軽減するために、過度な運動を避ける
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ストレスを減らすために、快適で静かな生活環境を提供する
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食事管理(膀胱に優しい食事を与えることが、排尿をサポートします)
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定期的な健康診断で神経系や尿路の状態をチェックする
💬 まとめ
神経原性排尿障害は、神経系の問題によって膀胱の収縮や尿道の機能が障害される疾患です。
早期に診断し、適切な治療を行うことで症状を改善し、再発を防ぐことが可能です。
「尿が出にくい」「頻繁に排尿するが尿が少ない」などの症状が見られた場合は、早めにご相談ください。
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