🐾「食欲がない」「ずっと下痢している…」
消化管型リンパ腫について
こんにちは、ガレン動物病院です。
「最近なんだかずっと調子が悪い…」
「吐く回数が増えた気がする」
「下痢や軟便が続いていて、体重も減ってきた」
そんなとき、**消化管型リンパ腫(しょうかかんがたりんぱしゅ)**という病気の可能性があります。
🧬 消化管型リンパ腫ってどんな病気?
リンパ腫とは、血液のがんの一種で、白血球の仲間である「リンパ球」ががん化して全身に増殖していく病気です。
その中でも「消化管型リンパ腫」は、胃や小腸・大腸などの消化管に腫瘍ができるタイプです。
📌 犬よりも猫でよく見られるリンパ腫のタイプで、猫の慢性嘔吐の原因としてよく挙げられます。
🐶🐱 どんな子に多い?
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中高齢の猫(7歳以上)で多発
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慢性的に嘔吐や下痢をくり返している子
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食欲や元気が少しずつ落ちてきた子
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猫白血病ウイルス(FeLV)や猫エイズウイルス(FIV)陽性の猫では発症リスクが上昇
※ 犬でもまれに発症します。
📌 よくある症状
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慢性的な嘔吐
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下痢または軟便(血便を伴うことも)
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食欲の低下または拒食
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体重の減少
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触診で「お腹にしこりのようなもの」が感じられることも
📌 最初は胃腸炎やフードアレルギーと間違われやすく、見過ごされがちです。
数週間以上、胃腸症状が続くときは注意が必要です。
🩺 診断方法
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触診:腹部に腫瘤やしこりが感じられるかチェック
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血液検査:炎症や栄養状態を確認
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超音波検査:腸壁の肥厚や腫瘤の有無を確認
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X線:消化管のガスや腫れを評価
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**内視鏡や開腹による生検(組織検査)**で確定診断
※ 慢性腸炎(IBD)との鑑別が非常に重要です。
💊 治療について
✅ 抗がん剤治療(化学療法)
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消化管型リンパ腫は抗がん剤が効きやすいタイプも多くあります
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通院による点滴・注射(2~3週間に1回ペースが多い)
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副作用は軽度なことが多く、食欲や元気を保ちながら治療を続けられることもあります
✅ ステロイド療法
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がんを完全に止めることはできませんが、一時的に症状が緩和されることがあります
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抗がん剤と併用することもあります
✅ 栄養療法・整腸剤の併用
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低刺激なフード(消化管サポートなど)で腸への負担を減らします
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嘔吐・下痢に応じて吐き気止めや整腸剤を処方します
🕰 予後(寿命)について
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早期発見・早期治療により寛解状態が1年以上続くケースもあります
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高悪性度の場合は進行が早いため、診断後すぐの治療開始が重要です
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食欲があるかどうか・全身状態により治療内容が変わります
💬 最後に
「吐きやすい体質かと思ってた」
「年のせいで痩せてきたのかな…」
そう感じていたら、実は進行したリンパ腫だったということもあります。
消化管型リンパ腫は、“なんとなくの不調”から始まる見逃されやすい病気です。
気になる症状が続くときは、一度しっかり検査を受けてみましょう。
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