🐶【肛門の横にしこり?】それ、見逃せないかもしれません。
肛門嚢アポクリン腺癌(こうもんのうアポクリンせんがん)について
こんにちは、ガレン動物病院です。
今回は、肛門の周りにできる**悪性腫瘍「肛門嚢アポクリン腺癌」**についてご紹介します。
🧬 どんな病気?
肛門の横(時計の4時と8時あたり)には、肛門嚢というにおいを出す袋があり、そこにあるアポクリン腺という分泌腺の細胞ががん化したものが「肛門嚢アポクリン腺癌」です。
📌 見た目は小さなしこりでも、実は進行が速く、転移しやすい悪性腫瘍です。
🐾 どんな子に多い?
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中高齢の犬(7歳以上)
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特に避妊済みのメス犬にやや多い
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猫でもまれに発生しますが、犬ほどではありません
📌 主な症状
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肛門の横にしこりや腫れがある
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しっぽの下の皮膚が膨らんで見える
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排便がしにくそう、便が細い
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多飲多尿(副腫瘍性高カルシウム血症が原因)
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元気・食欲の低下、体重減少
📌 痛がらない・気づかれにくい場所なので、発見が遅れがちです。
🩺 診断方法
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触診によるしこりの確認
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細胞診(針で細胞を採取してがん細胞を調べる)
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レントゲン・超音波検査:リンパ節・肺・腹部への転移確認
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血液検査:高カルシウム血症の確認
💊 治療方法
✅ 外科手術
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可能な場合は腫瘍と周囲のリンパ節を一緒に切除します
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排便機能を温存しながら、なるべく広範囲に切除します
✅ 補助療法
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抗がん剤や放射線治療(完全切除が難しい場合)
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高カルシウム血症に対する内科治療(輸液・ビスフォスフォネートなど)
📌 早期に発見して手術できれば、予後は大きく変わります。
🕰 予後と経過
状況 | 予後の目安 |
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完全切除できた場合 | 1〜2年以上元気に過ごす子も多数 |
切除できない/転移がある | 数ヶ月〜1年未満になることも |
🏠 飼い主さんができること
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お尻をよく観察する(左右差・腫れ・なめる仕草)
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定期的な健康診断・肛門腺チェック
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高齢犬はしっぽの下に違和感がないか、定期的に触って確認しましょう
💬 まとめ
肛門のしこりは、「肛門腺がたまってるだけ」と思われがちですが、悪性腫瘍が潜んでいることもあります。
「おしりの横にしこりを見つけた」「便が出にくそう」そんな時は、すぐにご相談ください。
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ガレン動物病院では、早期発見・早期治療を大切にしています。 気になる症状があれば、まずはお気軽にご相談ください。