🐱「最近なんだか、呼吸が早い気がする…」
縦隔型リンパ腫について
こんにちは、ガレン動物病院です。
「息がハァハァしている」
「すぐ疲れて横になるようになった」
「胸に水が溜まってるって言われたけど、どういうこと?」
そんな症状の裏に潜んでいることがあるのが、**縦隔型リンパ腫(じゅうかくがたりんぱしゅ)**です。
🧬 縦隔型リンパ腫とは?
リンパ腫は、白血球の一種である「リンパ球」ががん化して増殖する血液のがんです。
その中でも縦隔型リンパ腫は、胸の中心部(縦隔)にあるリンパ組織や胸腺から腫瘍が発生するタイプです。
📌 特に猫で多いタイプのリンパ腫で、猫白血病ウイルス(FeLV)感染と深く関係しています。
🐱 どんな猫に多い?
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若い猫(2〜5歳)で多く見られます
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FeLV(猫白血病ウイルス)陽性の猫で高リスク
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完全室内飼いでも発症することがある
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雄猫にやや多いとされます
📌 よくある症状
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呼吸が浅く速い(努力呼吸)
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運動を嫌がる、すぐに横になる
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食欲が落ちてきた
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顔や前足がむくんでいる(上大静脈症候群)
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胸に水がたまり、咳や呼吸困難を起こすこともある
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頸部や鎖骨周囲のリンパ節が腫れることも
📌 見た目に明らかな腫瘍が見えにくいため、「気づいた時には進行している」ことが多い病気です。
🩺 診断方法
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胸部レントゲン:縦隔の腫れ・胸水の有無を確認
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胸部超音波:腫瘍の位置や性状をチェック
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胸水検査(細胞診):リンパ腫細胞の有無を確認
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FeLV/FIVウイルス検査
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必要に応じてCTや組織検査でより詳しく調べることもあります
💊 治療について
✅ 抗がん剤治療(化学療法)
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縦隔型リンパ腫は、抗がん剤に比較的よく反応するタイプです
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初期は週1回の治療→維持期は2週に1回など、段階的に間隔をあけていきます
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副作用(食欲不振・吐き気など)は出る場合もありますが、ほとんどの猫は元気に治療を続けられます
📌 治療開始が早ければ、寛解(症状がなくなる)状態が数ヶ月〜1年以上持続することもあります
✅ 胸水がある場合
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**胸水の排出(胸腔穿刺)**を行い、呼吸を楽にしてから治療を開始します
🕰 予後(生存期間)の目安
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抗がん剤に反応した場合:平均6ヶ月〜1年以上の延命が期待できます
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治療しない場合:数週間〜1ヶ月程度で進行するケースも
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FeLV陽性の場合はやや治療反応が弱い傾向あり
💬 まとめ
縦隔型リンパ腫は、若い猫でも発症する可能性のある“血液のがん”です。
「呼吸がいつもと違う」「なんとなく元気がない」などのちょっとした変化がサインになることもあります。
早期発見・早期治療が、猫ちゃんの生活の質と時間を守るカギです。
気になる症状があれば、ぜひ一度ご相談ください。
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