🍽️【食欲不振、嘔吐、体重減少…それ、黄色脂肪症かもしれません】
猫の黄色脂肪症について
こんにちは、ガレン動物病院です。
今回は、猫に見られる代謝疾患、黄色脂肪症についてご紹介します。
🩺 黄色脂肪症とは?
黄色脂肪症(Feline Hepatic Lipidosis)は、肝臓に脂肪が異常に蓄積する病気です。通常、肝臓は脂肪を代謝し、体内でエネルギーを作り出す役割を持っていますが、黄色脂肪症では過剰な脂肪が肝臓に蓄積され、肝臓の機能が低下します。この病気は、特に肥満の猫や急激な体重減少がある猫に多く見られます。
📌 黄色脂肪症は早期に診断し、治療を行わないと肝不全に進行する可能性があり、生命にかかわる危険もあります。
🐱 どんな猫に多いの?
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肥満の猫(肥満は黄色脂肪症の最も一般的なリスク因子です)
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急激な体重減少があった猫(食事摂取が不足し、急激に体重が減ると、肝臓に脂肪がたまりやすくなります)
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ストレスが強い環境にいる猫(引越し、飼い主の不在、飼い主の変更などによって食欲が低下し、黄色脂肪症が引き起こされることがあります)
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高齢猫(高齢の猫は代謝が遅くなり、体調を崩しやすいです)
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糖尿病や甲状腺機能低下症のある猫(内分泌疾患が原因となり、黄色脂肪症を引き起こすことがあります)
📌 主な症状
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食欲不振(食べなくなることが多く、急激な体重減少が見られる)
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元気がない、活動量の低下(エネルギー不足のため、猫が普段よりも元気がなくなる)
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嘔吐(消化不良が進行するため、嘔吐が見られることがある)
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黄疸(肝臓が正常に機能しないため、皮膚や目が黄色くなることがある)
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体重減少(急激に体重が減ることが特徴です)
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水分摂取の増加(脱水を防ぐために多くの水を飲むことがある)
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腹部膨満感(肝臓に脂肪がたまることで、腹部が膨らんで見えることがあります)
📌 黄色脂肪症は、進行すると肝不全に至ることがあり、治療を行わないと命に関わることがあります。
🩺 診断と検査
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血液検査:肝臓の機能を評価するため、ALT、AST、ALP、ビリルビンなどの値を測定します。肝機能が低下している場合、高値が見られます。
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超音波検査:肝臓の状態を確認し、脂肪が蓄積されているかどうかを評価します。
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生理学的評価:代謝の変化や体温、心拍数などを確認して、症状の程度を把握します。
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X線検査:肝臓のサイズや異常を確認し、肥満による脂肪蓄積を評価します。
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肝生検:最終的な診断を確定するために、肝臓の細胞を採取し、脂肪の蓄積を確認することがあります。
💊 治療方法
✅ 食事療法
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高カロリー・高タンパク質食(体重減少が原因の場合、エネルギー摂取をサポートするために、高カロリーで高タンパク質な療法食が推奨されます)
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小分けに与える食事(食欲が戻るまで、一日に何回かに分けて少量ずつ食事を与えることが大切です)
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低脂肪食(肝臓に負担をかけないために、低脂肪の食事を与えることが推奨される場合があります)
✅ 薬物療法
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抗生物質(二次感染症が進行した場合に使用されることがあります)
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肝保護薬(肝臓の機能を改善するための薬が使用されることがあります)
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ビタミンB群や肝臓保護サプリメント(肝臓の回復を助けるために使用することがあります)
✅ 緊急対応
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点滴治療(脱水症状や栄養不足を補うために点滴で水分や栄養素を補給することが必要です)
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食事補助(食べる力が戻らない場合、強制給餌やチューブを使って栄養を補給することがあります)
🕰 予後と注意点
状況 | 備考 |
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軽度の場合 | 食事療法と適切な治療で改善が期待されることが多い |
重度の場合 | 肝不全や膵炎などの合併症が進行することがあるため、早期の治療が重要 |
再発のリスク | 適切な管理と予防が行われなければ、再発のリスクがあるため定期的な診察が必要 |
📌 黄色脂肪症は、治療が早ければ予後が良好ですが、進行すると肝不全や生命に関わる問題に発展するため、早期の治療が不可欠です。
🏠 ご家庭でのケア
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強制給餌や食事管理(猫が食べたがらない場合は、少量ずつ強制給餌を行い、栄養をしっかり与える)
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水分補給を十分に行う(脱水症状を防ぐため、常に新鮮な水を与える)
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定期的な健康診断で肝臓の状態をチェックする
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ストレス管理(過度なストレスが病気を悪化させるため、落ち着いた環境を提供する)
💬 まとめ
黄色脂肪症は、肝臓に脂肪が異常に蓄積することで肝臓機能が低下する病気で、特に肥満の猫や急激な体重減少がある猫に多く見られます。
早期の診断と適切な治療で症状を改善し、猫の生活の質を向上させることができます。
「食欲不振」「元気がない」「嘔吐や下痢」などの症状が見られた場合は、早めにご相談ください。
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