🫁「最近よく咳をする…もしかして肺に異常があるのかも?」
犬・猫の肺腫瘍(はいしゅよう)について
こんにちは、ガレン動物病院です。
「咳が続いている」
「呼吸が浅くて速い気がする」
「なんとなく元気・食欲が落ちている」
そんな症状があるとき、肺に腫瘍ができている可能性も考えられます。
特に高齢の犬猫では、**肺腫瘍(はいしゅよう)**は見逃せない病気のひとつです。
🧬 肺腫瘍とは?
肺にできる腫瘍で、
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肺の細胞から発生する「原発性肺腫瘍」
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他の部位のがんが肺に転移する「転移性肺腫瘍」
の2つがあります。
📌 犬猫では転移性肺腫瘍の方が多く、乳腺腫瘍、骨肉腫、肥満細胞腫などから肺に転移して発見されることもあります。
🐶🐱 どんな子に多い?
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中高齢(7歳以上)の犬猫
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過去にがんを経験したことがある子(転移に注意)
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健康診断やレントゲンで偶然見つかるケースも多い
📌 よくある症状
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慢性的な咳(乾いた咳やゼーゼーする音)
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呼吸が浅く、速くなる
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運動を嫌がる、すぐに休みたがる
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食欲・元気の低下
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体重が減ってきた
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肺が広範囲で侵されると、呼吸困難・チアノーゼ・失神などが起きることも
📌 小さな腫瘍では無症状のことも多く、進行してから気づかれるケースが少なくありません。
🩺 診断と検査
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胸部レントゲン検査:肺の腫瘤、影の有無を確認
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CT検査:より詳細に腫瘍の位置・大きさ・数を評価
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超音波検査・腹部レントゲン:他の部位への転移を確認
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細胞診・生検:腫瘍の種類を確定(リスクがあるため実施は慎重に)
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血液検査:全身状態や麻酔のリスク評価に使用
💊 治療方法
✅ 原発性肺腫瘍の場合
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外科手術(肺葉切除):単発で転移のない場合は最も有効
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抗がん剤:腫瘍の種類によっては併用することもあります
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放射線療法(一部施設で対応)
✅ 転移性肺腫瘍の場合
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原発のがんに対する治療を継続しつつ、肺病変の進行を抑える
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内科的管理・抗がん剤・緩和ケアなど
✅ 緩和ケア
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咳止め、酸素療法、鎮痛薬、ネブライザーなど
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苦しさや痛みをできるだけ取り除き、穏やかな生活をサポートします
🕰 予後(生存期間)
タイプ | 予後 |
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単発性・切除可能な原発性腫瘍 | 手術後1〜2年以上元気に過ごす子も |
多発性・転移性腫瘍 | 数ヶ月〜半年が目安(腫瘍の種類による) |
未治療の場合 | 進行によっては急激に悪化・呼吸困難のリスクも |
🏠 ご家庭でできるケア
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咳の頻度、呼吸の変化を記録する(寝ているときの呼吸数チェック)
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ストレスを減らし、静かな環境で過ごす
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暑さ・寒さ・乾燥を避け、室温・湿度を快適に保つ
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食欲が落ちたときは、においの強い食事や少量頻回給餌を工夫
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定期的な検査で、腫瘍の大きさや進行をモニタリング
💬 まとめ
肺腫瘍は、症状が出た時には進行していることが多い病気です。
でも、早期発見できれば外科治療や内科的管理でQOLを保ちながら過ごすことができます。
「咳が長引いている」「元気がないけど検査はまだ…」
そんな時は、ぜひ一度ご相談ください。胸のレントゲンだけでも早期発見のきっかけになります。
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