🫁【急な呼吸困難・ふらつき…それ、“肺の血管”が詰まっているかもしれません】
肺血栓塞栓症(はいけっせんそくせんしょう)について
こんにちは、ガレン動物病院です。 今回は、犬や猫にまれに起こる、命に関わる呼吸器疾患のひとつ、肺血栓塞栓症についてご紹介します。
🩸 肺血栓塞栓症ってどんな病気?
肺血栓塞栓症(PTE:Pulmonary Thromboembolism)は、 肺の血管(肺動脈)に血栓(血の塊)が詰まり、肺への血流が遮断される病気です。
📌 肺が酸素を取り込めなくなり、呼吸困難・低酸素・ショック症状を引き起こすことがあります。
🐶🐱 どんな子に起こる?
-
中高齢の犬・猫
-
以下のような病気があるとリスクが高くなります:
-
クッシング症候群
-
ネフローゼ症候群(タンパク漏出性腎症)
-
免疫介在性溶血性貧血(IMHA)
-
がん(悪性腫瘍)
-
心臓病、長期寝たきり
-
手術後、外傷後など
-
📌 上記の疾患がある子が「急にぐったりした、呼吸が荒い」ときは要注意です。
📌 主な症状
-
突然の呼吸困難(浅く速い呼吸)
-
チアノーゼ(舌・粘膜が紫色)
-
ふらつき・失神・倒れる
-
心拍数が上がる/不整脈
-
元気・食欲の急激な低下
-
ショック(血圧低下・虚脱)
📌 突然死につながる可能性もある、緊急性の高い状態です。
🩺 診断と検査
-
血液検査:Dダイマー(血栓の指標)、凝固系マーカー
-
血ガス分析:酸素・二酸化炭素レベルの確認
-
胸部レントゲン:肺の陰影、血流異常
-
心臓超音波検査:右心負荷の有無
-
CT検査(必要に応じて):血栓の直接確認
📌 診断は難しく、複数の情報を総合的に判断します。
💊 治療方法
肺血栓塞栓症は緊急治療が必要な状態です。
-
酸素吸入(酸素室またはカニューレ)
-
抗凝固薬(ヘパリンなど)
-
血栓溶解薬(必要に応じて)
-
点滴・循環サポート・ショック管理
-
原因疾患(例:クッシング、腫瘍など)の同時治療
📌 回復後は再発防止のための長期的な抗血栓療法が必要になることも。
🕰 予後と注意点
状態 | 予後 |
---|---|
軽度・早期対応あり | 数日〜数週間で回復することも |
重度・ショック状態 | 予後不良。命に関わる危険性が高い |
再発リスクあり | 原因疾患の管理が重要 |
🏠 ご家庭で気をつけたいこと
-
基礎疾患のある子は、「急な呼吸の変化」にすぐ気づくこと
-
過去に血栓症を起こしたことがある子は、定期的な検査・内服継続を
-
呼吸数(寝ているときに20〜30回/分)を毎日チェック
💬 まとめ
肺血栓塞栓症は、突然起こる命に関わる疾患です。 でも、早く気づいて治療できれば回復できるケースもあります。
「息が苦しそう」「急に倒れた」 そんな時は、迷わず早めにご相談ください。
📞 ご予約・お問い合わせはこちら
ネット予約 ▶︎https://5.mfmb.jp/mobile/index.php?PHPSESSID=578pnba6ipr9e0ko5igj8dkt70&clinic_number=900991
電話 ▶︎055-972-6770
ガレン動物病院では、血栓症や呼吸器の緊急疾患にも対応しています。 「なんかおかしい」と思ったら、すぐご相談を!