組織球肉腫
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🐾「足をかばっている?なんだか調子が悪そう…」
組織球肉腫(そしききゅうにくしゅ)について
こんにちは、ガレン動物病院です。
「最近、足をかばって歩くようになった」
「元気・食欲が少しずつ落ちてきた」
「しこりがあるけど、筋肉なのか腫瘍なのかわからない」
そんなときに、疑われるのが組織球肉腫(そしききゅうにくしゅ)という進行の早い悪性腫瘍です。
🧬 組織球肉腫とは?
組織球肉腫は、免疫細胞の一種である「組織球」から発生する悪性腫瘍です。
非常に稀ながらも犬では一定数確認されており、特に大型犬・中高齢犬に多いとされています。
📌 特徴は「進行が速い」「転移しやすい」「全身型がある」こと。
診断が遅れると、肺やリンパ節、骨髄などに転移し、治療が難しくなります。
🐶 どんな子に多い?
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中高齢(6歳以上)の犬
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好発犬種:フラットコーテッド・レトリバー、バーニーズ・マウンテンドッグ、ゴールデン・レトリバーなど
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猫では非常にまれ
📌 組織球肉腫の3タイプ
タイプ | 特徴 |
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局所型(孤立性) | 体の一部に腫瘍ができる(例:足の筋肉) |
転移型 | 局所型から肺・リンパ節などに転移する |
全身型(悪性組織球増殖症) | 骨髄・肝臓・脾臓などに多発。進行が非常に速い |
📌 よくある症状
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足の腫れ・しこり(特に後肢)
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足をかばって歩く/びっこ
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食欲や元気の低下
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発熱(原因不明の高体温)
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呼吸が苦しそう(肺への転移)
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リンパ節の腫れ
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痩せてきた/体重減少
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貧血、出血傾向(全身型)
📌 「ただの捻挫かな?」と様子を見ていたら、進行していたというケースもあります。
🩺 診断と検査
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触診・歩行観察:腫瘍の位置や運動への影響を確認
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レントゲン・超音波検査:骨・肺・肝臓などへの転移確認
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細胞診・組織検査(バイオプシー):確定診断に必要
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CT検査:全身の転移評価
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血液検査:貧血や炎症、内臓機能の評価
💊 治療法
✅ 外科手術(局所型の場合)
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腫瘍が1ヶ所に限局していて、完全切除できれば延命が期待できます
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断脚(足を切除)によって痛みを取り除き、生活の質を大きく改善できることもあります
✅ 抗がん剤治療(全タイプ共通)
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ドキソルビシン(アドリアマイシン)などが効果あり
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転移型や全身型では抗がん剤が主な治療となります
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一時的に症状が改善しても、再発や進行の早さには注意が必要
🕰 予後(生存期間の目安)
タイプ | 治療あり | 治療なし |
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局所型 | 手術+抗がん剤で1年程度生存も可 | 数ヶ月で進行 |
転移型 | 平均6〜9ヶ月 | 1〜2ヶ月程度 |
全身型 | 治療しても数週間〜2ヶ月と極めて短い | 数週間未満 |
💬 まとめ
組織球肉腫は発見が難しく、進行が早い悪性腫瘍です。
でも、早く気づいて治療を開始すれば、延命や痛みの緩和ができるケースもあります。
「足をかばっている」「しこりがある」「元気が落ちた」
そんな小さなサインに気づいたら、早めの検査をおすすめします。
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