🐾「咳が続いている…もしかして“気管支が壊れている”?」
気管支拡張症(きかんしかくちょうしょう)について
こんにちは、ガレン動物病院です。
「うちの子、ずっと咳をしてる」
「気管支炎って言われて治療してるけど、なかなか良くならない」
「肺炎を何度も繰り返している…」
そんな子に疑われるのが、**気管支拡張症(きかんしかくちょうしょう)**です。
咳が止まらない原因のひとつとして、見落とされがちな病気です。
🫁 気管支拡張症とは?
気管支は、気管から分かれて肺の中に伸びる空気の通り道です。
この気管支が、炎症や感染によって傷つき、元に戻らないほど広がってしまった状態を「気管支拡張症」といいます。
📌 正常な気管支はしなやかに広がったり縮んだりしますが、拡張症になると気管支の構造が壊れて咳や感染が続くようになります。
🐶🐱 どんな子に多い?
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中〜高齢の犬・猫(特に8歳以上)
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慢性気管支炎、喘息、肺炎などを繰り返している子
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小型犬(トイプードル、ヨーキー、マルチーズなど)や猫では慢性化しやすい傾向あり
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若齢であってもウイルス感染・誤嚥性肺炎後などで発症することも
📌 よくある症状
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乾いた咳、または痰のからんだ咳が続く
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咳き込みが激しく、吐きそうになる
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興奮後や朝起きたときに咳が増える
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咳のせいで食欲や元気が落ちることも
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呼吸が浅く・速くなる
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発熱・鼻水(細菌感染時)
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慢性の肺炎を併発していることも
📌 「咳が止まらない」=“ただの気管支炎”ではないかも!
🩺 診断と検査
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胸部レントゲン検査:気管支が太く・はっきり写る所見(リング状・線状の陰影)
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CT検査(詳細評価に有効):拡張部位の正確な把握が可能
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気管支鏡検査(必要に応じて):気道の内部を直接観察し、炎症や膿などを確認
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気管洗浄検査(BAL):細菌培養・細胞診で感染の評価
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血液検査:炎症反応・肺炎の合併有無などの確認
💊 治療方法
✅ 原因に応じた内科治療が中心
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抗生物質:細菌感染・肺炎がある場合に使用
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去痰薬・気管支拡張薬:呼吸を楽にし、咳の緩和を図る
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ステロイド薬(慎重に使用):慢性的な炎症を抑える
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ネブライザー療法(吸入):薬剤を直接気道に届ける
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酸素吸入:重度呼吸困難時に対応
📌 完治は難しい病気ですが、治療により咳を抑え、快適に暮らすことが可能です。
🕰 経過と予後
状態 | 予後 |
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軽度で早期治療開始 | 内科治療で長期間QOLを維持可能 |
慢性化・肺炎を繰り返す場合 | 継続的な治療が必要。QOL管理が目標 |
呼吸困難・肺機能低下が進行 | 命に関わるリスクあり。早期対応が重要! |
🏠 ご家庭でできるケア
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体重管理(肥満は咳や呼吸に負担)
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喫煙・香水・ホコリなど刺激物を避ける
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室内の湿度管理(40〜60%)で呼吸しやすく
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興奮させない・無理な運動は控える
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咳の回数やタイミングを記録しておくと診察に役立ちます
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毎日の投薬と定期的な画像検査で進行を防ぐことが大切です
💬 まとめ
「咳が続いているな」「薬を飲んでもあまり良くならない」
それは気管支拡張症のサインかもしれません。
この病気は構造の異常なので、治すというより“付き合っていく”病気ですが、
早期に発見し、うまくコントロールすれば、穏やかに暮らせる子がたくさんいます。
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