🍽️【食欲不振、下痢、体重減少…それ、膵外分泌不全かもしれません】
膵外分泌不全について
こんにちは、ガレン動物病院です。
今回は、犬や猫に見られる消化器系の疾患、膵外分泌不全についてご紹介します。
🩺 膵外分泌不全とは?
膵外分泌不全(Exocrine Pancreatic Insufficiency、EPI)は、膵臓が正常に消化酵素を分泌できない状態のことを指します。膵臓は消化に必要な酵素(アミラーゼ、リパーゼ、トリプシンなど)を分泌し、食物を消化する役割を果たしていますが、膵外分泌不全ではこれらの酵素が不足し、食物が十分に消化されなくなります。そのため、消化不良や栄養吸収障害を引き起こし、体重減少や下痢を引き起こすことがあります。
📌 膵外分泌不全は、膵臓の慢性疾患や膵臓の炎症、または膵臓自体が破壊されることによって引き起こされることが多いです。
🐶🐱 どんな子に多いの?
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中高齢の犬や猫(特に7歳以上の高齢動物)
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犬種特有の傾向(特にジャーマンシェパード、コリー、ゴールデン・レトリーバーなど)
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膵臓に疾患がある動物(膵炎や膵臓の慢性炎症が進行した場合)
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栄養不良や消化不良が続いている動物(食事がうまく消化できていない場合)
📌 主な症状
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食欲不振や体重減少
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下痢(特に脂肪が多い、または脂っぽい便)
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悪臭を伴う便(消化されていない食物が便に含まれるため)
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元気がない、活動量の低下
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皮膚や被毛の状態が悪くなる(栄養不足によるもの)
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異常に多く食べる(消化されない食物が腸内に残るため、過剰に食べることがある)
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腹部膨満感(腸内のガスや未消化物が原因で膨満感を感じることがある)
📌 膵外分泌不全を放置すると、栄養吸収障害が進行し、体重減少や衰弱を引き起こす可能性があります。
🩺 診断と検査
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血液検査:膵臓の酵素のレベルを調べ、膵臓の機能を確認します
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血清TLI(トリプシン原基因子)検査:膵臓の消化酵素の分泌量を調べ、膵外分泌不全の診断を行うための主要な検査です
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超音波検査:膵臓の構造を確認し、膵臓に異常がないかを調べます
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便検査:消化不良や脂肪の吸収不良を確認するために、便を検査することがあります
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X線検査:腸内の異常や肥満、消化不良の兆候を確認します
💊 治療方法
✅ 食事管理
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消化酵素の補充(膵臓から分泌される消化酵素をサプリメントとして与えることが治療の基本です)
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消化しやすい食事(低脂肪で高繊維の食事が推奨されます)
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小分けに与える(1日数回の少量食事で膵臓への負担を軽減します)
✅ 薬物療法
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消化酵素補充薬(膵臓からの酵素分泌が不足しているため、消化酵素を補充する薬を与えます)
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ビタミン補助薬(特に脂溶性ビタミン(A, D, E, K)が不足することがあるため、補充が必要です)
✅ サポート療法
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栄養補助(必要に応じて栄養補助剤を与え、体調をサポートします)
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点滴療法(脱水症状や栄養不足を補うため、特に症状が進行している場合に使用されます)
🕰 予後と注意点
状況 | 備考 |
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軽度の膵外分泌不全 | 食事管理と消化酵素の補充で回復することが多い |
重度の場合 | 長期的な治療と経過観察が必要で、定期的な血液検査と便検査が求められます |
再発のリスク | 消化酵素の補充を続け、食事管理を徹底することが大切です |
📌 膵外分泌不全は治療により予後が良好となることが多いですが、定期的な管理と継続的な治療が不可欠です。
🏠 ご家庭でのケア
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消化に優しい食事(ウェットフードやペースト状のものを与え、膵臓への負担を軽減します)
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消化酵素のサプリメントを毎回の食事に混ぜて与える
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水分補給をしっかり行い、脱水症状を防ぐ
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ストレスを避ける生活環境を整える
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定期的に健康診断を受け、膵臓の状態をチェックする
💬 まとめ
膵外分泌不全は、膵臓からの消化酵素分泌が不足し、消化不良や栄養吸収障害を引き起こす疾患です。
消化酵素の補充と食事管理を行うことで、症状を改善し、元気を取り戻すことができます。
「食欲不振」「下痢」「体重減少」などの症状が見られた場合は、早めにご相談ください。
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