❤️ 犬の心タンポナーデとは？
〜心臓が押しつぶされる、命に関わる緊急疾患〜
「呼吸が苦しそう」「ぐったりして動かない」「お腹が膨れてきた」
そんな症状の裏に、心タンポナーデという重大な心臓の病気が隠れていることがあります。
心タンポナーデとは、心臓の周囲に液体（血液や滲出液など）がたまり、心臓が正常に動けなくなってしまう状態です。
この状態が続くと、血液を全身に送る力が急激に低下し、命に関わる危険性が高まります。
この記事では、実際のレントゲン画像とともに、心タンポナーデについて詳しく解説します。
🩺 心タンポナーデの原因は？
心臓を包んでいる「心膜（しんまく）」の内側に、以下のような原因で液体がたまることで発症します。
-
心臓腫瘍（特に右心房の血管肉腫など）
-
心膜炎（感染や免疫異常によるもの）
-
外傷（交通事故や落下による胸部損傷）
-
原因不明（特発性）
液体が急速にたまると、心臓が圧迫されて縮むことができず、血液を全身に送れなくなってしまうのです。
⚠️ よくある症状
心タンポナーデでは、以下のような症状がみられます。
-
呼吸が早い・苦しそう
-
舌や歯茎が青紫色（チアノーゼ）
-
元気がない・動きたがらない
-
お腹（腹水）が張る
-
心音が弱くなる
-
突然倒れる、失神する
「高齢のわんちゃんが最近元気がない…」という相談で来院され、心タンポナーデが見つかるケースも少なくありません。
🧪 診断と治療
心タンポナーデは早期発見・早期治療が命を救う病気です。
当院では、以下の検査を通じて診断を行います：
-
レントゲン検査（心陰影の拡大を確認）
-
超音波検査（心膜液の量、心臓の動き、腫瘍の有無）
-
心電図検査
📷 記事中の画像
実際に心タンポナーデを起こしたわんちゃんの胸部レントゲン写真です。
心臓のまわりに液体がたまり、心陰影が大きく拡大しているのがわかります。
治療は、主に心膜穿刺（しんまくせんし）と呼ばれる処置で液体を抜くことで行います。
原因が腫瘍性の場合は再発リスクが高く、継続的な管理や外科的処置、腫瘍治療が必要なこともあります。
✅ まとめ
心タンポナーデは、症状に気づいてすぐに対応するかどうかが、命を左右する緊急疾患です。
「最近息が苦しそう」「寝てばかり」「お腹が張っている」など、気になる変化があれば早めの診察をおすすめします。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
📍365日診療のガレン動物病院
平日・土日・祝日すべて診療しております。
急な体調の変化も、予防・健康診断も、お気軽にご相談ください。
📞 ご予約・お問い合わせはこちら
ネット予約 ▶︎ https://5.mfmb.jp/mobile/index.php?clinic_number=900991
電話 ▶︎ 0800-823-2308
🚗対応エリアのご案内
ガレン動物病院には、三島市・沼津市・函南町・長泉町・裾野市・伊豆市・御殿場市・富士市・静岡市・箱根町など、 静岡県東部・神奈川県西部エリアからも多くの飼い主さまにご来院いただいています。