🐾 犬の前十字靭帯断裂とは？
〜「足をかばっている」は、重大なサインかも〜
「最近、後ろ足を浮かせて歩いている」
「座り方がおかしい」「階段を嫌がるようになった」
そんな症状に心当たりはありませんか？
もしかするとそれは、**前十字靭帯断裂（ACL断裂）**かもしれません。
前十字靭帯は、膝関節の中にある重要な靭帯で、膝を前後に安定させる役割があります。
この靭帯が切れてしまうと、足に強い痛みと不安定感が生じ、歩けなくなる、関節炎が進行するなど重大な問題が起きてしまいます。
上の写真は当院に来院されたわんちゃんです。
左後肢に痛みがあるため、地面につけなくなってしまっています。（写真左）
🦴 このレントゲン画像からわかること（写真右）
📸 左側の画像（正常）
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太ももの骨（大腿骨）とすねの骨（脛骨）がしっかり接していて、膝が安定している状態です。
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青い矢印が示している部分は、関節の隙間で、通常の位置関係が保たれていることが分かります。
📸 右側の画像（前十字靭帯断裂）
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骨と骨の位置がずれており、脛骨が前方にズレてしまっているのが分かります。
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本来なら大腿骨と脛骨が安定して支え合っているはずが、靭帯が切れてしまっているため、関節が不安定でグラグラしている状態です。
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これは、前十字靭帯が役割を果たせなくなったことによって起こる典型的な変化です。
🐶 前十字靭帯断裂の主な原因
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ジャンプや急な方向転換によるケガ（特に活発な小型犬・中型犬）
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加齢や肥満に伴う靭帯の劣化（特にシニア期の中大型犬）
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軟骨や半月板の損傷を伴うことも多く、慢性化しやすい疾患です
一度断裂した靭帯は自然には治らないため、適切な診断と治療が必要です。
⚠️ こんな症状があるときは要注意！
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後ろ足を浮かせている／ケンケン歩き
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びっこを引いている／跛行（はこう）
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座る姿勢が傾いている
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足を触られるのを嫌がる
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階段や段差を避けるようになった
放置すると、関節炎や半月板の損傷が進み、慢性的な痛みや運動制限につながります。
🧪 診断と治療について
【診断】
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歩き方のチェック
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関節のぐらつき（前方引き出しテスト）
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レントゲン検査
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必要に応じて関節鏡や超音波検査
【治療】
🩺 外科手術が基本となります。
当院では、体格や活動量に応じて最適な術式をご提案しています。
主な手術法：
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FLO法（関節外制動術）
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TPLO法（脛骨高平部水平化骨切り術）など
🐾 術後はリハビリや内服管理を行い、約2〜3ヶ月でしっかりと歩けるようになる子が多いです。
✅ まとめ：早期発見で、しっかり歩ける未来を
前十字靭帯断裂は、よく見られる整形外科疾患のひとつです。
症状が軽いうちに対応すれば、わんちゃんの足はしっかり回復します。
「歩き方がいつもと違うかも…」
そんな時は、まずは一度ご相談ください。
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