🐱 猫の動脈血栓塞栓症とは？
〜突然歩けなくなった…それ、後ろ足の血栓かもしれません〜
「突然、後ろ足を引きずるようになった」
「触ると痛がって鳴く」「足先が冷たく、色が変わっている」
そんな急な症状が現れたとき、**“動脈血栓塞栓症”**が原因かもしれません。
これは、心臓などでできた血栓（血のかたまり）が血管に詰まり、足に血が流れなくなる病気です。
📷 実際の症例写真（猫の後肢の血栓症）
🔍 上の写真では、左後肢と右後肢の肉球の色が明らかに違っているのがわかります。
黒く変色している側は、血流が途絶えてチアノーゼ（青紫色）を起こしている状態です。
このような所見は、動脈血栓塞栓症の典型的なサインです。
🧠 この病気のメカニズム
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原因の多くは、心疾患（特に肥大型心筋症）による血栓形成
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心臓にできた血栓が、血流にのって後肢の大動脈に詰まる（鞍状血栓）
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後肢に血が届かず、痛み・麻痺・壊死が起こる
🐾 特に猫に多い病気で、突然の症状として現れます。
🆘 主な症状
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突然の後肢の麻痺・歩行不能
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肉球が冷たい／青白い／黒っぽく変色
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触ると強く痛がる（叫ぶように鳴く）
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呼吸が速い・浅い
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足の裏の爪が外に向いたまま（力が入らない）
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意識ははっきりしているが、立てない
📌 上記のような症状が突然現れたら、1分でも早く動物病院へ！
🩺 診断と治療
【診断方法】
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身体検査（脈が触れない・体温の左右差）
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血液検査（高カリウム・乳酸値上昇など）
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超音波検査（心臓内血栓・心筋症の有無）
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Doppler法での血流評価
【治療内容】
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血栓溶解剤・抗血栓薬の投与
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鎮痛薬（非常に痛みが強いため）
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酸素・循環サポート
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原因疾患（心臓病）の継続管理
⚠️ 重度の場合は、壊死した足の切断や、致死的経過をたどることもあります。
💡 再発防止と長期管理
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心疾患の診断と継続的な内服管理
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抗血栓薬（クロピドグレル・リバーロキサバンなど）の投与
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定期的な心エコー検査と血液モニタリング
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ご家族による日々の「歩き方」「呼吸」「肉球の温度」チェックも重要です
✅ まとめ
動脈血栓塞栓症は、猫に多い突然発症する緊急疾患です。
後ろ足の麻痺・肉球の色の左右差・痛がる様子が見られたら、すぐに動物病院へ！
心臓疾患が隠れていることが多いため、早期の診断と継続的なケアが命を守ります。
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