ノミが引き起こす病気とその対策

～たった1匹でも油断は禁物です～

写真に写っている小さな虫は「ノミ」です。
1円玉と並べるとその小ささがわかりますが、この小さな体の中には、大きなトラブルの種が潜んでいます。

ノミってどんな虫？

ノミは犬や猫に寄生して吸血する寄生虫です。成虫の体長はわずか1〜3mmほどですが、非常に高いジャンプ力があり、動物の体に飛び移って血を吸います。気温が高くなる春〜秋にかけて特に活発になり、室内でも繁殖可能です。

ノミが原因で起こる主なトラブル

1．ノミアレルギー性皮膚炎

ノミの唾液に対してアレルギー反応を起こし、強いかゆみや脱毛、湿疹がみられます。1匹のノミに刺されただけでも激しい皮膚症状が出る子もいます。

2．吸血による貧血

大量のノミが寄生すると、子犬・子猫・高齢動物では重度の貧血を引き起こすこともあります。元気がない、ぐったりしているなどの症状が見られる場合は注意が必要です。

3．瓜実条虫（うりざねじょうちゅう）の感染

ノミの体内には、条虫（サナダムシ）の幼虫が潜んでいることがあり、グルーミングの際にノミを飲み込んでしまうと感染します。条虫に感染すると、便に白い米粒状の虫が見られたり、肛門を気にするしぐさが増えることがあります。

4．人にも被害が及ぶことがあります

ノミは人も刺すことがあります。赤く腫れたり、かゆみが強くなるほか、体質によってはアレルギー反応が出ることもあります。

ノミの予防と対策

ノミは「見つけてから対処」ではなく、「見つかる前に予防」することが大切です。

🔸 月に1回の予防薬（スポットタイプ・内服薬など）
🔸 ペットの寝具やカーペットなどのこまめな掃除・洗濯
🔸 多頭飼育の場合は全頭同時の予防を徹底すること

特に、**室内で飼っている子でもノミのリスクはゼロではありません。**外出時に衣服や靴にくっついて持ち込まれるケースもあります。

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