

🐶 犬の欠如歯とは?〜歯が足りないのは異常?自然なこと?〜
「うちの子、他の子より歯の本数が少ない気がする」
「乳歯は抜けたのに、永久歯が生えてこない…?」
そんな時に疑われるのが、**欠如歯(けつじょし)**です。
欠如歯とは、「本来あるはずの歯が存在しない状態」のこと。
実はこれ、決して珍しいことではありません。
🔍 欠如歯の種類とよくある部位
犬の歯は、通常42本の永久歯があります(上下左右で対象)。
しかし中には、以下のような歯が生まれつき無かったり、生えなかったりするケースがあります。
🦷 よく見られる欠如部位:
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前臼歯(前から4番目・5番目の歯)
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切歯(前歯)
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第1後臼歯(1番奥の歯)
特に**小型犬(チワワ、トイプードル、ヨーキーなど)**に多く見られ、遺伝的な傾向も指摘されています。
📸 どうやって気づくの?
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歯みがき中に「歯がない部分」がある
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乳歯が抜けた後に、永久歯がいつまで経っても生えてこない
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避妊・去勢手術のついでにレントゲンで判明することも
口の中は奥まで見づらいため、病院での定期的な口腔チェックや歯科用X線検査で初めて分かるケースも多いです。
📸 実際の症例写真:上顎第二前臼歯の欠如
下の写真は、上顎の第二前臼歯が欠如している犬の症例です。
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📷 写真1枚目では、口腔内を観察した際に、上顎の第二前臼歯が肉眼で確認できないことがわかります。
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📷 写真2枚目は、同じ部位をレントゲン撮影したものです。
X線画像でも歯根が存在せず、歯が形成されていない(先天欠如)ことが確認されます。
このように、肉眼では「生えていないだけ」か「抜けた跡なのか」判断が難しい場合でも、レントゲン検査を行うことで、歯の有無を正確に確認することができます。
🧬 原因は?
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遺伝的な要因(特定の犬種に多く見られる)
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顎の発育不全(顎が小さく、歯が収まりきらない)
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胎生期の発育異常
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乳歯遺残の影響で永久歯が正しく出られない場合も
※注意:事故などで歯を「失った」状態は“欠如”ではなく“欠損”と分類されます。
🩺 治療は必要?放っておいて大丈夫?
欠如歯は、無症状なら治療が不要なことが多いです。
ただし以下の場合は注意が必要です:
🔸 他の歯に負担がかかりやすい
→ 噛み合わせのバランスが崩れることで、歯周病や摩耗の原因に
🔸 乳歯が残っていると歯列が乱れる
→ 残存乳歯の抜歯が必要になることも
🔸 歯があるはずの場所に“埋伏歯”があるケースも
→ 歯ぐきの中に埋もれていると、嚢胞などを起こすことがあるためレントゲンでの確認が必要です
🐾 ご家庭でできること・予防のために
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定期的に口の中をチェックしましょう
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乳歯が残っているようなら、早めにご相談を
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歯の本数や歯並びに違和感があれば、歯科検診やレントゲン検査を
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歯が少ない子は、残っている歯を大切にケアしましょう(歯みがき・お口のケア)
🏥 まとめ
犬の欠如歯は、多くの場合で特別な治療を必要としない「体質」のひとつです。
ただし、歯の本数や歯並びに異常がある場合は、他のトラブル(歯周病・乳歯遺残・嚢胞形成など)と関連している可能性もあるため、獣医師によるチェックが大切です。
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