
【猫の肥満細胞腫とは?】
〜皮膚のしこり、それはがんのサインかもしれません〜
「最近、猫の体にポツっと小さなしこりがある」
「赤くなったり、かゆがったりしてる気がする」
そんな症状、実は**肥満細胞腫(ひまんさいぼうしゅ)**の可能性があります。
🐱 肥満細胞腫ってどんな病気?
肥満細胞腫とは、「肥満細胞(免疫に関わる細胞)」が腫瘍化したものです。
皮膚にできる悪性腫瘍(がん)の一種で、猫では比較的よく見られる皮膚腫瘍です。
👉 名前に「肥満」とついていますが、体型とは関係ありません。
🩺 どこにできる?症状は?
最も多いのは皮膚型で、特に頭・首・体幹部にしこりができやすいです。
また、猫ではまれに**内臓型(脾臓や腸など)**もみられます。
🔍 よくある初期症状
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触るとわかるしこり(皮膚の下にコリコリした塊)
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かゆみや赤み、皮膚のただれ
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急にしこりが大きくなる
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(内臓型の場合)嘔吐・食欲不振・元気消失など
※しこりを刺激すると、ヒスタミンなどが放出されて赤くなったりかゆくなることもあります。
📷 実際の症例:耳の近くにできた肥満細胞腫
上の写真は、猫の耳の付け根付近にできた肥満細胞腫の一例です。
赤くただれたような見た目の腫瘍で、毛が抜け、皮膚が盛り上がっています。かゆみを伴って引っかいたり、出血してしまうこともあります。
このように、皮膚にぽこっとした腫れやかさぶたのような変化が見られる場合、ただの傷ではなく腫瘍の可能性があるため注意が必要です。
特に耳の付け根や顔周り、体幹部にできるケースが多く、気づいた時には腫瘍が大きくなっていたということもあります。
🧪 診断と検査
しこりが見つかった場合、まずは**細胞診(しこりに針を刺して細胞を採る検査)**を行います。
肥満細胞腫は特徴的な細胞の形をしているため、顕微鏡である程度診断がつきます。
さらに詳しく調べるために、外科的切除+病理検査を行うこともあります。
💊 治療法は?
✅ 皮膚型の場合
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外科手術での切除が第一選択
→ 完全に取り切れれば予後は良好なことが多いです。 -
一部の低悪性度タイプでは、ステロイドや分子標的薬で効果があることもあります。
✅ 内臓型の場合
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脾臓や腸の摘出手術が必要になることがあります
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化学療法が併用されることもありますが、進行度や全身状態により異なります
🐾 早期発見・早期治療が大切です
「なんだか小さなしこりがあるけど様子を見よう…」
という判断が、あとで後悔につながることもあります。
特に猫の肥満細胞腫は、一見良性に見えても悪性の場合があるため、
「皮膚のしこり」を見つけたら、早めの受診・検査をおすすめします。
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