

【犬・猫の大腿骨骨折とは?】
〜足をかばう・つけない…その症状、骨折かもしれません〜
「突然足を浮かせて歩いている」
「高いところから落ちたあとから動きがおかしい」
そんなときに疑われるのが、大腿骨の骨折です。
犬にも猫にも比較的多くみられる骨折のひとつで、早期発見・早期治療が回復のカギになります。
🦴 大腿骨骨折ってどんなケガ?
大腿骨(だいたいこつ)は、太ももにある長くて太い骨で、体を支える大切な部位です。
この骨が折れてしまうと、歩行や体重支持が困難になり、**強い痛みや腫れ、跛行(びっこ)**が見られます。
🐶 犬の骨折:多い原因と特徴
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高いところからのジャンプ失敗
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交通事故や自転車との接触
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多頭飼いでのぶつかり合い
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小型犬では骨が細く、軽い衝撃でも骨折することもあります
🐱 猫の骨折:多い原因と特徴
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キャットタワーや家具からの落下
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網戸やベランダ、屋根などからの転落
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外に出た際の交通事故やケンカ
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特に高層階からの転落は「高層ビル症候群」とも言われます
✅ 猫は痛みを隠す傾向が強く、じっとして動かなくなるだけで外見上は気づきにくい場合もあります。
🐾 よくある症状(犬・猫共通)
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足をまったく着かない(非荷重性跛行)
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太もも周囲の腫れ・内出血・変形
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触ると強く痛がる・怒る
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抱っこを嫌がる、急に元気がなくなる
🩻 レントゲン画像で見る「正常な骨」と「骨幹遠位の粉砕骨折」
骨折の診断には**レントゲン検査(X線検査)**が不可欠です。
上にある画像は、実際に来院された猫さんのレントゲン画像です。
✅ 正常な大腿骨(横から)
▲「正常」と記された画像では、大腿骨の輪郭が滑らかに連続しており、関節の構造も問題ありません。
⚠️ 骨幹遠位の粉砕骨折(横から)
▲右の画像では、大腿骨の下部(骨幹遠位)で骨が複数に砕けて折れており、明らかに骨の連続性が失われています。
このような粉砕骨折では、自然治癒は望めず、外科手術によるプレートやピンでの固定が必要です。
⚠️ 骨幹遠位の粉砕骨折(正面)

▲別角度からも、骨片のズレが明らかで、脚の長さや軸が不自然にずれています。
放置すると骨が曲がったまま癒合してしまい、歩行機能の障害や慢性の痛みが残るリスクがあります。
🛠️ 治療法
骨折の種類や部位によって治療方法は異なりますが、基本は外科的整復と内固定です。
主な方法:
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ピン・ワイヤー・スクリュー・プレートによる固定
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状況により、外固定(ギプス)やケージレストを併用
骨折のタイプ(単純骨折/斜骨折/粉砕骨折)によって手術法が変わるため、レントゲンでの正確な診断が重要です。
🛏️ 術後のケアと注意点
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安静管理(サークルやケージでの生活)
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床が滑らないよう工夫
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内服薬(鎮痛薬・抗生剤)
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定期的なレントゲンで癒合確認
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成長期の動物では、骨の発育への配慮も必要です
🐶🐱「様子を見よう」は禁物です!
骨折は見た目では分かりにくいこともあり、足を引きずっていても「ちょっと捻っただけかな?」と見過ごされがちです。
ですが、早期に整復しないと、骨の変形癒合や歩行障害が残ることも。
「おかしいな」と思ったら、迷わず動物病院へ。
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