🐱【猫の橈骨近位外方脱臼とは?】
〜足をかばう猫ちゃん、その原因は「肘の脱臼」かもしれません〜
「最近、片方の前足を浮かせて歩くようになった」
「高いところからジャンプしたあとから、足をつかない」
「前足を触ろうとすると、すごく嫌がる」
そんなとき、**橈骨近位外方脱臼(とうこつ きんい がいほう だっきゅう)**という関節のトラブルが起きている可能性があります。
これは、猫の肘関節にある“橈骨(とうこつ)”という骨が、関節から外れて外側にずれてしまう状態です。
一見大きなケガには見えないこともありますが、歩行や日常生活に大きく影響する脱臼のひとつです。
🧠 脱臼ってどうして起きるの?
脱臼とは、骨と骨で構成される関節の噛み合わせが外れてしまうことです。
猫では特に、高い場所からの着地失敗、落下、家具や壁への激突などが原因となることが多いです。
橈骨近位外方脱臼は、その名の通り肘関節で橈骨が外側に飛び出すように外れた状態です。
伴って尺骨(しゃっこつ)との連携や靭帯構造も緩み、関節全体が不安定になることもあります。
📸 実際のレントゲン画像をご紹介
当院で診断・治療を行った猫ちゃんのレントゲン画像です。
🔴 赤い丸で囲まれた部分に注目すると、本来橈骨がはまっているべき関節から外れ、不自然な方向にずれているのがわかります。
画像を左右比較してみると、正常な側と脱臼した側で、関節の形や骨の位置に大きな差があるのが明らかです。
🐾 このような症状が見られたら要注意!
脱臼は痛みを伴うだけでなく、関節の動きや姿勢に明らかな異常を引き起こします。
こんなサインは見逃さないでください:
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🐾 片足を浮かせて歩く(非荷重性跛行)
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🚶♀️ 歩き方がぎこちない、前足がうまく動かない
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🤕 肘が伸びたままで、曲がらない
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🐱 抱っこや前足を触るのを極端に嫌がる
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🛏️ 高いところから落ちたあとに急に元気がなくなった
猫は痛みを隠す動物なので、「ただおとなしいだけ」と見逃されがちですが、実は強い痛みがあることも。
🩺 検査と診断
診断にはレントゲン検査が非常に有効です。
左右を比較しながら、骨の位置・関節の形状・脱臼の方向・骨折の合併などを評価します。
必要に応じて、CT検査や鎮静下での関節可動性の確認も行うことがあります。
🔧 治療法について
橈骨近位外方脱臼は、自然には元に戻らないケースが多く、整復(もとの位置に戻す)や固定が必要です。
主な治療法:
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💉 麻酔下での非観血的整復(手技による復位)
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🩹 副木やギプスによる固定(整復後の安定性に応じて)
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🔩 外科手術(靭帯の再建やピン・スクリューでの固定)
脱臼の程度や猫の体格・年齢によって治療法は異なります。
早期に整復することで、関節機能の温存や痛みの軽減につながります。
💡 放っておくとどうなる?
脱臼を放置してしまうと…
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🦴 関節炎や骨の変形
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🧬 靭帯や関節軟骨の損傷
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😿 慢性の痛みと歩行障害
などが進行し、元のように歩くことができなくなってしまうことも。
🐱「足をかばっている」だけで終わらせないでください
「少しびっこを引いているだけだから…」
「ジャンプの失敗かな?」
と思っても、そのままにせず一度ご相談を。
脱臼は早期診断・早期治療が何よりも大切です。
整復のタイミングを逃さないことが、愛猫の生活の質(QOL)を守るカギになります。
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