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【症例報告】犬の肛門横にできたしこりの診断と細胞診の結果とは?


🐶【犬の肛門周囲にできた腫れの正体は?】

〜肛門嚢炎ではない“皮脂腺の異常増殖”が原因だったケース〜

 

「お尻の横が腫れている」
「排便時に痛がる」
「赤く腫れて出血している」

これらの症状から、肛門嚢炎が疑われることが多いですが、
実は「肝様腺(かんようせん)という皮脂腺由来の病変」が原因であったケースも存在します。

 


📸 実際の症例写真

今回ご紹介するのは、肛門の右下にしこり状の腫れが認められたワンちゃんの症例です。

  • 腫れには赤みと隆起があり、一部は紫色を帯びた血流の多い組織でした

  • 排便時に痛みがあり、本人も違和感から舐める様子が続いていました

 


🧬 肝様腺とは?

**肝様腺(hepatoid gland)**は、犬の肛門周囲を中心に分布する皮脂腺の一種で、
肛門嚢とは別に存在する正常な構造物です。

この肝様腺が、ホルモンや加齢などを要因に異常に増殖(過形成)したり、腫瘍化することがあります。

 


🔍 よくある病変の種類

  • 肝様腺過形成(良性):皮脂腺の組織が異常に大きくなる

  • 肝様腺腫(良性腫瘍)

  • 肝様腺癌(悪性):まれに局所浸潤や転移を起こすことも

 

特に去勢していないオス犬で見られることが多く、ホルモンの影響が関与していると考えられています。

 

🩺 治療と経過

今回の症例では、細胞診検査を実施しました。
その結果、肝様腺(皮脂腺の一種)由来の腫瘤である可能性が高いと診断されました。

 

🧬 肝様腺由来の腫瘤は、ほとんどの場合は良性腫瘍(肝様腺腫)ですが、
細胞診のみで生物学的挙動(再発性・悪性度)を正確に予測することは難しいとされています。
つまり、「良性のように見えても再発する可能性」や「異なる腫瘍が近接部に新たに発生すること」もゼロではありません。

 

そのため、

  • ✅ 腫瘍の大きさ・場所・経過を見ながら外科的切除を検討

  • ✅ 切除できた場合、良性であれば多くは完治が期待できます

  • ✅ ただし局所再発隣接部位から新たな腫瘍が出てくることもあり、経過観察が重要です

 

 

✂️ 今回のケースでも、痛みと違和感の改善、再発リスクの軽減を目的に、
外科的切除を飼い主さまと相談のうえ、今後の方針を立てています。

 


💡 見逃しやすい“お尻のしこり”に注意!

肛門周囲にできる腫れやしこり=肛門嚢炎と決めつけず、
皮脂腺・腫瘍・ホルモン性の疾患など、さまざまな原因を視野に入れた診断が重要です。

特に…

✅ 去勢していない高齢のオス犬
✅ お尻のしこりが繰り返しできる
✅ 触ると嫌がる・舐める
✅ 排便時に痛がる・時間がかかる

こんなときは、一度獣医師の診察を受けてみましょう。

 


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