
🪳犬・猫の毛包虫(ニキビダニ)症について~皮膚の奥に潜む小さな寄生虫~
今回の写真は、皮膚検査で見つかった毛包虫(もうほうちゅう)の顕微鏡画像です。
毛包虫は「ニキビダニ」とも呼ばれる、犬や猫の皮膚の毛穴や皮脂腺の中に寄生するダニの一種です。
健康な犬や猫にも少数が常在していますが、
免疫力の低下などをきっかけに数が増えると、脱毛・フケ・かゆみ・皮膚の赤みなどを引き起こすことがあります。
🦠 毛包虫とは?
毛包虫(学名:Demodex canis など)は、顕微鏡でしか見えないほど小さな寄生虫で、
犬では特に「毛包虫症(ニキビダニ症)」として知られています。
人や他の動物に感染することはほとんどありません。
犬では主に生後数か月の子犬や、高齢で免疫力が落ちている子で発症することが多く、
猫では比較的まれな寄生虫です。
⚠️ 症状のサイン
発症部位や程度によって症状はさまざまですが、以下のような変化が見られます👇
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目のまわりや口のまわりの脱毛
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顔や四肢の皮膚が赤くなる
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フケやかさぶたが増える
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痒みがある(特に二次感染時)
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重症例では膿皮症や全身の脱毛が進行
毛包虫は皮膚の深い部分に潜むため、外から見ただけではわかりにくいのが特徴です。
🔬 診断方法
皮膚を軽く掻き取って顕微鏡で観察する「皮膚掻爬検査(ひふそうはけんさ)」で確認します。
今回の写真のように、細長い体を持った毛包虫が毛根付近から見つかることがあります。
症状が顔だけに出ている場合は局所性、
全身に広がっている場合は全身性と分類されます。
💊 治療方法
治療は症状の程度や感染範囲によって異なりますが、
主に以下のような方法で行います👇
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抗ダニ剤(スポットタイプ・内服薬)の使用
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抗菌薬(細菌の二次感染がある場合)
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皮膚の洗浄(薬浴)
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栄養管理・免疫サポート
定期的な皮膚検査で、毛包虫の数が減っているかを確認しながら治療を続けます。
治療期間は数週間~数か月に及ぶこともあります。
💡 再発を防ぐために
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栄養バランスの良い食事で体力維持
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ノミ・ダニ予防薬を定期的に使用
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皮膚の異常に早めに気づくための定期検診
特に子犬では、母犬からの免疫が落ちる生後3〜6か月頃に発症しやすいため、
皮膚のチェックを欠かさず行いましょう🐶
🔬 獣医外科認定医(JAHA)/獣医腫瘍科認定医在籍
整形外科・腫瘍科・歯科・皮膚科などの専門診療にも対応しています。
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