
🐱猫の口蓋裂(こうがいれつ)について~鼻と口がつながる先天的な異常~
今回の写真は、猫の口蓋裂(こうがいれつ)と呼ばれる状態の症例です。
上あご(口蓋:こうがい)に裂け目があり、口と鼻がつながってしまう先天的な異常です。
この状態では、食べ物や水が鼻へ逆流してしまい、くしゃみや鼻水が続くなど、
さまざまな症状を引き起こすことがあります。
🦷 口蓋裂とは?
口蓋(こうがい)は、口と鼻の間を仕切る壁のような構造です。
この部分が胎児の発育段階でうまく閉じないと、生まれつき口と鼻がつながったままになってしまいます。
この異常を「先天性口蓋裂」と呼びます。
また、外傷や腫瘍などによって後から裂けてしまう場合もあり、これは「後天性口蓋裂」と呼ばれます。
⚠️ 主な症状
口蓋裂の猫ちゃんでは、以下のような症状が見られることがあります👇
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ごはんや水を飲むと鼻から出てしまう
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くしゃみが多い、鼻水が続く
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体重が増えにくい
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呼吸音が荒い、鼻の詰まりが目立つ
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慢性的な鼻炎が続く
特に子猫では、授乳中に母乳が鼻から出ることで発見されることもあります。
🧠 原因
🍼 先天性口蓋裂
胎児の発育過程で、上あごが完全に閉じなかったことが原因です。
遺伝的要因の関与が考えられ、特に短頭種(ペルシャ・エキゾチックショートヘアなど)で発生が報告されています。
💥 後天性口蓋裂
交通事故や高所からの落下、口腔内の外傷、腫瘍、歯科処置後の合併症などが原因になることもあります。
🩺 診断方法
診断は、口腔内の視診で行います。
鼻と口がつながっているか、裂け目の範囲や位置を確認します。
必要に応じて麻酔下で詳細な観察を行い、鼻腔との境界の状態を評価することもあります。
🩹 管理とケア
裂け目の大きさや症状の程度によって、食事や環境を工夫することで
生活の質を保つサポートを行うことができます。
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水や流動食を少しずつ与える
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鼻水やくしゃみが続く場合は抗生剤・消炎剤の投与
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感染を防ぐための衛生管理
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誤嚥(ごえん)を防ぐ体勢での食事介助
猫ちゃんの状態に合わせて、最適な管理方法を検討していくことが大切です🐾
💬 飼い主さまへのメッセージ
口蓋裂は、生まれつきの異常として子猫で見つかることが多い病気です。
放置すると誤嚥性肺炎や慢性鼻炎を起こすこともあります。
ごはんを食べると鼻から出る、鼻水やくしゃみが長引く、呼吸が荒いなど、
少しでも気になる症状がある場合は早めにご相談ください。
🔬 獣医外科認定医(JAHA)/獣医腫瘍科認定医在籍
整形外科・腫瘍科・歯科・皮膚科などの専門診療にも対応しています。
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