
犬や猫が、飼い主さんと離れるときに強い不安を感じてしまう状態を「分離不安症」といいます。
飼い主さんが出かける準備を始めるとソワソワしたり、外出中に吠え続ける、部屋を荒らすといった行動が見られることがあります。
🧠 分離不安症の主な症状
分離不安症の症状は、犬と猫で共通するものも多くあります。
犬の場合
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お留守番中に吠え続ける、ドアや家具を壊す
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飼い主が出かけるときに強い不安を示す(鳴く、震える)
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食欲がなくなる、下痢や嘔吐を起こす
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飼い主が帰宅すると過剰に興奮して甘える
猫の場合
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飼い主がいないと鳴き続ける
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トイレ以外の場所で排泄する
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食事をとらなくなる
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毛をむしる(過剰なグルーミング)
このような行動は、叱っても改善せず、かえって不安を強めてしまうことがあります。
💡 なぜ分離不安症になるのか?
分離不安症の原因はひとつではありませんが、主に次のようなことが関係しています。
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飼い主との結びつきが非常に強い(依存傾向)
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子犬・子猫の時期に長時間ひとりで過ごす経験が少なかった
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引っ越しや家族構成の変化など環境のストレス
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飼い主が急に長時間外出するようになった
犬では特に「常に飼い主のそばにいる」ことが習慣化すると、離れる時間への耐性がつきにくくなります。
🩺 診断と治療
分離不安症は、行動や生活環境をよく観察して診断します。
他の疾患(ホルモン異常や神経疾患)との区別も大切です。
治療は、主に「環境調整」と「行動療法」を中心に行います。
環境調整のポイント
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外出時のサイン(カギを持つ・靴を履くなど)を日常的に行い、出かける=不安の合図にならないようにする
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出かける前にたっぷり遊んで、満足感を与える
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飼い主が不在のときに、好きなおもちゃやおやつを与える
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飼い主の外出や帰宅時は大げさに構わないようにする
行動療法と併用
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徐々に留守番の時間を延ばして慣らしていく
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獣医師の指導のもと、必要に応じて抗不安薬などの投与を検討
焦らず、少しずつ「ひとりでも安心できる時間」を増やすことが重要です。
🏡 飼い主さんにできるサポート
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外出時に声をかけすぎない
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帰宅後もすぐに抱きしめず、落ち着いてからコミュニケーションをとる
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生活リズムを一定に保つ
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適度な運動とスキンシップを毎日行う
分離不安症は「わがまま」や「しつけ不足」ではなく、
ペットが感じている「不安のサイン」です。
叱るのではなく、安心できる環境を整えてあげましょう。
💬 飼い主さまへのメッセージ
分離不安症は、時間をかければ改善することができる行動の問題です。
飼い主さんとペットの関係性を見直し、少しずつ「離れても大丈夫」という安心感を育てていくことが大切です。不安の症状が強い場合は、ご相談ください。
🔬 獣医外科認定医(JAHA)/獣医腫瘍科認定医在籍
整形外科・腫瘍科・歯科・皮膚科などの専門診療にも対応しています。
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